サムスンSDIは17日、世界最薄の2.2インチ能動型(AM)有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を開発したと明らかにした。
 AM有機ELは既存の液晶パネルの1000倍以上という応答速度で残像感が完全に解消できるだけでなく、厚みや大きさも30%コンパクトになり、視野角による制約がほとんどないのが特長だ。サムスンSDIが今回開発した超薄型AM有機ELは厚さが名刺1枚分ほどの0.52ミリメートルで、光源となるバックライトユニットを必要としない。これまで量産されてきた薄膜トランジスタ(TFT)液晶パネルモジュール(厚さ1.7ミリ)に比べ3分の1以上スリムになった。既存のAM有機ELと比較しても、厚さは2分の1程度ながら320×240ピクセル(QVGA)クラスの解像度を実現し、26万カラー、明暗比1万対1、色再現率100%といった性能を備える。

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 モバイル機器において1.2ミリという厚さの余裕は、機器のスリム化だけでなくバッテリー容量の拡大や地上波移動マルチメディア放送(DMB)のような新機能搭載など、無限に活用できるものだと同社は説明している。同製品を新開発の2.6インチQVGA対応AM有機ELなどとともに、22~24日に米国で開催される映像表示装置関連の世界最大の国際学会SID(Society for Information Display)に出品し、一般に公開する予定だ。

 サムスンSDIは4655億ウォンを投じ、2005年11月に世界初、次世代低温ポリシリコンTFT前面発光方式のAM有機EL量産投資を宣言し、忠清南道天安市に1万3800坪の専用生産ライン建設を開始した。現在はほぼ完成し、本格量産に向けたテスト生産とマーケットテストが行われている。今後は携帯電話用QVGAクラスのAM有機ELのラインアップを2.0~3.0インチまで展開するほか、DMB、携帯メディアプレーヤー(PMP)、ゲーム機などに市場を拡大し、来年からは年産1億台以上を目指す。


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