通貨危機の1998年以降、韓国では全般的に貧困率が上昇した一方、貧困世帯が貧困から抜け出す可能性は低くなっているとの分析結果が出された。韓国租税研究院の成明宰(ソン・ミョンジェ)専任研究委員が、財政フォーラム4月号に掲載した所得移動性と貧困の関係に関する報告書を通じ、1998年から2004年までの貧困率と貧困脱出率を示し、原因について分析した結果を紹介した。

 報告書は、世帯所得が中間層レベルの50%に満たない場合を相対貧困状態と定義し、韓国労働パネル調査資料と統計庁の家計調査資料を基に貧困率を推定した。労働パネル資料基準では、韓国の相対貧困率は1998年が16.9%、1999年が16.8%、2000年が16.4%、2001年が16.6%、2002年が17.0%、2003年が17.3$、2004年が19.0%と推定された。統計庁の家計調査資料基準では、それぞれ15.6%、7.7%、8.7%、7.3%、9.0%、10.4%、10.4%、11.0%という結果が出た。成研究員は、2つの資料を基づき、韓国の貧困率は通貨危機の後、緩やかな上昇傾向を示していることが把握されたと説明した。

 貧困率の上昇とは対照的に、貧困世帯が貧困状態から抜け出す確率を示す「貧困脱出率」は、同期間に下落している。相対貧困率を基準とした通貨危機以降の貧困脱出率は、1999年が49.3%、2000年が47.6%、2001年が47.0%、2002年が46.7%、2003年が42.6%、2004年が36.6%と推定された。1999年には前年に貧困状態にあった2世帯のうち1世帯は貧困から脱出することができたが、2004年には3世帯に1世帯しか脱出できていないということになる。

 成研究員はこの分析結果について、高齢化や離婚人口の増加など、人口社会学的な特性と関係があると説明した。高齢者世帯や離婚女性の世帯などは求職が難しいため貧困に陥る確率が高く、1度貧困に陥れば抜け出すことは難しい。通貨危機以降、相対所得格差を表すジニ係数が上昇していることもまた、経済政策の過ちによるというよりも、高齢化などの影響が大きいとの見方だ。貧困率を下げ、貧困固着の可能性を減らすためには、高齢者の雇用創出や所得移動性の向上に向けた政策が必要だと主張した。

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