記者会見を行う金英男さん=29日、金剛山(聯合)
記者会見を行う金英男さん=29日、金剛山(聯合)
北朝鮮拉致被害者の金英男(キム・ヨンナム)さんは29日、第14回南北離散家族面会行事が行われた金剛山ホテルで記者会見を行い、自身の北朝鮮居住の経緯について拉致疑惑を否定するとともに、偶然の機会で北朝鮮に渡ったと主張した。
 金英男さんは同日、高校1年生だった1978年8月5日、全羅北道群山の仙遊島海水浴場に遊びに行った際、先輩とのハプニングに巻き込まれた。一時身を隠そうと付近にあった小さな船に乗り、少しだけ漕ぎ出したところで寝てしまい、目を覚ますと島も海水浴場の灯りも見えなかったという。島に戻ろうと必死で船を漕いだが島は見えず、夜が明けると大海にいたと当時の状況を説明した。

 発見した船に救助を求め乗り込んだが、「島に戻るのは難しいので自分たちのところに行き、後で家に帰るのはどうか」と言われたという。北朝鮮の船であることを後で知り、到着した場所は南浦項だった。当時は恐ろしくもあり心配で、最初の数日間は食欲もなかったが、次第に北朝鮮側の人たちとも親しくなり心も打ち解けた。ここで勉強をして故郷に戻ればいいのでは考え、それから28年という歳月が流れた、と話した。

 英男さんは現在の自身の職業について「特殊部門、具体的には統一部門関連事業をしている」と明らかにした。

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