開城工業団地で働く北朝鮮女性。工業団地の発展は南北経済協力に新たな1ページを刻む(聯合)
開城工業団地で働く北朝鮮女性。工業団地の発展は南北経済協力に新たな1ページを刻む(聯合)
北朝鮮の核問題で朝鮮半島に緊張感が高まる中で発足した盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、この3年間に曲折を経ながらも核問題の平和的解決と南北関係の進展に向けた努力を、比較的一貫して進めてきたと評価される。その根幹には、前政権による北朝鮮融和政策の「太陽政策」を継承発展させた「平和繁栄政策」がある。軍事的緊張緩和と信頼構築を通じた平和の制度化と多角的な経済協力を通じた経済的繁栄努力を2つの軸として活用してきた。
 統一部は3年間の成果について、公式資料を通じ「朝鮮半島情勢を安定的に管理し、南北間の実質協力関係を発展させる一方で、北朝鮮の意味ある変化も促進させた」と評価している。特に2005年は南北関係を一段階引き上げたと振り返っている。

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 韓国側が故金日成(キム・イルソン)主席の10周忌弔問団の派遣を認めず、東南アジアのある国から500人近い脱北者が韓国入りしたことなどから、南北関係は2004年7月から2005年5月まで当局間対話が中断した。これと時を同じくして核問題についての対話も中断し、2005年2月には北朝鮮が核兵器保有を宣言するに至るなど米朝関係にも緊張が高まった。

 しかし韓国政府の対話再開に向けた努力により2005年5月16日から19日まで南北次官級会談が開催され、この席で韓国側が核問題進展に向けた「重大提案」を準備していることが北朝鮮側に伝えられた。さらに北朝鮮への肥料支援や、開城工業団地での工場稼動なども南北関係には肯定的な役割を果たした。

 南北首脳会談5周年を記念して昨年6月に平壌で開かれた行事には、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官が出席し、滞在中には金正日(キム・ジョンイル)総書記との会談も実現するなど、南北関係と6カ国協議再開のターニングポイントになった。6カ国協議はその後再開され、9月19日には共同声明が発表されるなど一定の進展を見せた。

こうした流れの中、平和と繁栄に向けた努力は南北関係の中で目に見える成果と数値として現れている。2005年には南北の往来者数は8万8341人となり、それまでの累積8万5400人を上回った。南北間の貿易規模も1兆ウォンを超え、南北間の船舶運航も4497回と前年比2倍に、航空機運航も208回に及んだ。金剛山観光客も98年からの累積で100万人を超えた。

 当局間対話も活発で、盧武鉉政権下では政治分野で15回、軍事分野で17回、経済分野で39回、社会文化分野で19回など90回に及び、66件の合意文も作成された。盧武鉉政権発足前の3年間では75回、51件にとどまっており、現政権となってから南北間対話は一層活発になっている。

 軍事分野では2004年に初めての将官級軍事会談が開かれ、軍事境界線地域での宣伝活動を中止したほか、宣伝用の機材撤去なども進められた。艦艇間の共用通信網の使用が始まるなど、初歩的な緊張緩和措置を基に、来月に開かれる第3回将官級軍事会談では軍事的な信頼構築に向けたさらなる措置が話し合われる予定だ。

 経済協力分野での進展は開城工業団地が象徴的だ。2003年6月に開発が始まった後、核問題をめぐる緊張の中で2004年12月に試験団地の稼動にこぎつけ、韓国側からの電力供給や通信連結なども実現した。現在では外資系企業の誘致も進められるなど開発が活発化している。

 社会分野では離散家族の映像面会が実現し、北朝鮮拉致被害者問題も第7回赤十字会談で解決の糸口をつかんだ。

こうした成果にもかかわらず、対北朝鮮政策の推進過程では国民意識とのかい離が常に付きまとい、今後解決していくべき課題として残されている。今月に就任した李鍾ソク(イ・ジョンソク)統一部長官は、今後の政策の最優先として平和の制度化を挙げている。南北共同繁栄時代は残り2年では実現できないが、その枠組みを作るのに最善を尽くしたいと話す李長官は、人道問題の解決にも努力したいと意欲を見せている。

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