俳優や映画監督など映画関係者らはスクリーンクォータ縮小に強く反発している(聯合)
俳優や映画監督など映画関係者らはスクリーンクォータ縮小に強く反発している(聯合)
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は今年の年頭演説を通じ、二極化の解消、少子化対策、福祉財政拡充などを提示し、各界の責任ある議論を求めた。これを機に二極化解消問題とその解決方法は、政界とオピニオンリーダーらにとって中心的な議題として浮上している。
 与野党は今国会での代表演説を通じ、「増税ではなく公平課税を通じて二極化解消財源を増やすべき」(金ハンギル・開かれたウリ党院内代表)、「政府与党は地方選挙後に税金爆弾を落とすだろう」(李在五(イ・ジェオ)ハンナラ党院内代表)と真っ向から対立している。青瓦台(大統領府)も今月から「非情な社会・暖かい社会―二極化時限爆弾このままにするのか」と題した連載企画をホームページで掲載している。

盧大統領は年頭に「二極化解消問題のように、2030年や2050年を見据えた未来課題を整理し準備していくべき」と述べ、今年の国政運営の方向性を早くから予告している。しかし二極化解消の解決は、増税か減税かの論争にみられるように、国民的な合意を得るのは容易ではなく、与野党の政治闘争も合わせ現政権の任期内に模索するのは困難な事案との見方もある。二極化を公論化するのは、2対8の割合となっている富裕層とそうでない層の対立をあおり支持率回復をねらったものという野党の批判も出ており、福祉財政拡充の必要性についての問題提起では「小さな政府」と「大きな政府」をめぐる議論に発展している。

 盧大統領はこうしたハードルに対し、任期内の解決課題に限定せず、次期政権またはその次の政権で解決すべてき長期的国政課題として公論化したいとの考えを明確にしている。盧大統領のこうした国政構想に弾みがつくかどうかは、5月31日の地方選挙の結果を見るまでははっきりしないが、この選挙が政権後半期の国政方向を決める分水嶺になるとの見方は政界でも一致している。与野党間の正面勝負で展開される選挙で、首都圏の広域自治体の1カ所で勝利するなど与党が善戦すれば盧大統領の国政運営には弾みがつくが、敗北を喫した場合には与党内の求心力が急激に離れ、盧大統領の国政掌握力も急速に落ち込む可能性がある。特に与党が次期大統領選を念頭に大統領と距離を置き「ひとり立ち」を進めながら大統領選に突入すれば、早期にレームダック(死に体)化する可能性も高く、盧大統領の国政課題公論化にも影響を及ぼしかねない。

 盧大統領の離党問題が政界の関心事として浮上する可能性も高い。盧大統領は年初に、昨年の連立提案当時に党と青瓦台の間に対立があったことに触れ「党に影響を与えるようなので党指導部に離党の話を持ちかけたことがある」と言及している。こうした認識の延長線として地方選挙後の党と青瓦台の葛藤が再現された場合、党籍を離脱し超党派的な位置から二極化、財政拡充など国政を運営する決断を下す可能性も排除できないとの見方だ。

 今年の国政運営のもうひとつの変数は、年内妥結を目指す韓米自由貿易協定(FTA)交渉と年内開催可能性がうわさされる南北首脳会談の問題だ。

 韓米FTAは米国の商品・サービスの全面的開放を意味し、交渉過程で競争力が弱い分野の利害集団の生存権をかけた反発は避けられない。すでにスクリーンクォータ(韓国映画の義務上映制度)に反発する映画界のデモが始まっているほか、FTA締結に反対する農民団体の反発も組織化の動きを見せている。今後教育、医療、金融など開放が予想されるサービス分野でも少なからぬ抵抗が起きそうだ。盧大統領はこうした反発を予想し「国内の利害団体の抵抗のために韓米FTAが進められなくなることは絶対になくさなければならない」とFTA締結に並々ならぬ意欲を見せている。伝統的な支持層の急激な離反を招きかねないという点で、利害集団の反発と対立をどのように管理統制しながら韓米FTAを妥結に持ち込むのかは、国政運営の腕前を測る試験になりそうだ。

 南北首脳会談が開催される場合、下半期の国政運営には追い風となりそうだ。偽ドル紙幣問題が障害となっている6カ国協議も上半期の再開に向け進んでおり、これに続いて南北首脳会談が実現すれば早期レームダック化の懸念を吹き飛ばし、国政掌握力が強化されるなど、弾みがつきそうだ。しかし核問題がもつれた場合には正反対の状況を想定すべき状況にもなりかねない。



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