2006年は北朝鮮の権力層にどのような変化が生じるのか。金正日(キム・ジョンイル)総書記をトップとする唯一指導体制の特性上、急激な変化が起きることはなさそうだが、金総書記の後継構図と世代交代にはかねてから注目が集まっている。
 後継者問題に関する動きは、ひとまず特に目立った動きはないものとみられる。消息筋によると、金総書記は最近側近らに対し、3代世襲が故金日成(キム・イルソン)主席と自分のイメージを傷つけ、国際社会から笑いもののされる可能性があると指摘し、後継問題については口にしないよう指示したという。父子3代にわたり世襲した場合、北朝鮮の独裁体制のイメージが強まり非難を浴びる上、金総書記が金主席の後継者となったことの正当性にも傷がつく恐れがあると懸念しているようだ。2004年に死亡した高英姫(コ・ヨンヒ)夫人や側近も、金総書記に後継問題を決定するよう説得し続けてきたが、金総書記は取り合わなかったという。

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 金総書記が後継問題を先延ばしにしているもう1つの理由は、後継者が決定した瞬間から権力の中心が後継者に移り、後に自分が実権をすべて失うことを懸念しているためとの見方もある。金総書記は、金主席から権力を引き継いだときの経験から、自らそのような状況を招くことは避けたいとの指摘だ。将来的に自分の息子に権力を引き渡すとしても、しばらくの間は継承問題に関連した動きは水面下でのみ行われそうだ。

 最高権力層に特別な変化はないとみられる中、党と内閣、社会全般では大々的な世代交代が行われる見通しだ。一部の北朝鮮専門家は、来年北朝鮮当局が党や内閣の空席を埋め、各分野の世代交代を一挙に行う「人事革命」があるとみている。世代交代を通じ各種の古い慣行から脱し合理化したシステムを作るのが、新思考と実利の拡大、革新を強調する金総書記の方針だからだ。

 北朝鮮はすでに2003年9月から今年までに軍首脳部など主な将軍クラスを除くすべての指揮官を30~40代に入れ替えており、この中には30代前半の女性団長も少なくないという。内閣の行政、経済、対韓国部門でも、実務系を中心に30~40代が主流を成している。労働党の李光浩(リ・グァンホ)科学教育部長、党組織指導部のファン・ビョンソ第1副部長、キム・ジンソン文化相らなどがその代表的な例だ。

 ただ、金総書記の政策決定に決定的な影響を及ぼす党や軍部中心部は、世代交代の可能性が低いとみられる。これまでの側近を要職に置いたまま実務陣を中心に世代交代するのが、経済難を解決し全社会的な実利を求めながらも権力維持を図るのに理想的な形だからだ。


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