盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が年明けに発表する国政構想に、政治家や国民の視線が集まっている。連立政権に代わる新たな提案や、政局を大きく変える要因となる構想との見方もあるが、将来のビジョンに焦点を合わせているというのが青瓦台(大統領府)関係者の話だ。「未来の国政構想」はまず、1月初めに行われる内閣改造と年頭記者会見を通じ枠組みが明らかになる。
今回の内閣改造の中心は、李海チャン(イ・ヘチャン)首相の留任と、統一部の鄭東泳(チョン・ドンヨン)長官、保健福祉部の金槿泰(キム・グンテ)長官の党復帰だ。李首相の留任は、今後も内政など日常的な国政運営の裁量権を大幅に委任するという大統領の意思を反映したものとみられる。このため盧大統領は政権後半の国政運営で、将来の国家的リスク解決などの中長期的な国政計画を立てるほか、外交や安保など対外政治に力を注ぐ見通しだ。

一方、鄭長官と金長官の党復帰は、次期大統領候補と目される2人の積極的な意志と、党の実勢化要求を受け入れた部分もあるが、「党が政治の中心に立つべき」という持論と、党政分離の原則を今後も明らかにしていくという意味も込められている。また、地方選挙も党が主導的に行うべきとの構想が含められているとみられる。新内閣の顔ぶれが李首相の予告通り「管理型」なら、新たな国政の青写真や内閣改造課題を提示するよりは、既存の内閣改造ロードマップを完成させることに国政運営の重点が置かれるだろう。

盧大統領は、内閣と党の人的改編をもとに現政権だけでなく次期政権も含め、韓国の先進国入りという目標に向かう道すじを提示するものとみられる。盧大統領は昨年10月に 青瓦台担当記者団に対し「1月1日から2月25日の間に国民に発表しようと思う」と未来の国政構想発表を予告している。だが、政権内外の第1の関心は「未来」ではなく「現在」にあることも事実だ。政局を大きく変えることのできる秘蔵のカードがあるのかが問題だ。

統一地方選挙まで半年も残っていないにもかかわらず、与党の支持率が好転する気配がないことから、盧大統領は政局のイニシアチブをにぎるため画期的な提案をするのではないかとの観測も根強い。連立政権に次ぐ提案としてこれまで、▼挙国内閣構想▼大統領の党籍離脱▼政界改編▼内閣制的な国政運営と憲法改正▼大統領選挙・総選挙の同時実施――などが挙げられているのもこのためだ。

しかし青瓦台は、「短期的な対応策や政治的な提案ではなく、長期的で根本的な解決法を立てることが焦点」と、政局を反転させる考えはないとしている。青瓦台関係者は、「新たな制度を提案するよりは、現行の政治制度の運用をゆがめる政治習慣の改善を強調することに焦点を当てる。具体的な提案や政局構想というよりは、非常に包括的な談話の形になるだろう」と話している。

盧大統領は自身の構想の問題点として「未来の課題とその課題を解決できる社会的な意志決定構造」を強調している。つまり、自身の任期内の課題に限定せず、次期またはその先の政権になってでも解決しなければならない長期的な国政課題をあらかじめ示し、これを解決するため社会的なコンセンサスを得ることの必要性を提示するということだ。

問題は、このような構想が果たして選挙を目前に世論の気を引く効力があるかどうかだ。青瓦台関係者は、「大統領の構想に含まれる計画は、次期大統領選挙でも論点にならざるを得ない課題。大統領選候補らも答えを出さなければならない問題だという点で、簡単に目を背けることのできない構想となるだろう」と予告している。


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