国内の産業界が自由貿易協定(FTA)の締結相手として希望する国は中国で、米国や欧州連合(EU)との締結も望ましいと考えていることが分かった。
 全国経済人連合会(全経連)が29日に全経連会館で開催した「FTA推進と産業別得失分析セミナー」で発表を行なった産業専門家らは、巨大な市場を持つ中国、米国、EUなどとのFTAを積極推進すべきと主張した。厳しい競争関係にある日本とのFTA締結に対しては警戒感を示した。

 総合発表を行なった仁荷大学の鄭仁教(チョン・インギョ)教授は、「韓国はチリやシンガポールとのFTA締結でFTA政策基盤をある程度調整した状態にあり、今後は米国や中国など巨大経済圏とのFTA締結を通じ経済的利益を拡大させることに政策の焦点を合わせるべき」と指摘した。

 同日のセミナーで提示されたFTA締結を希望するグループを業種別にみると、▼自動車はEU、メキシコ、中国▼電機・電子は中国、メキシコ、EU▼機械はEU、米国、中国、メキシコ▼石油化学は中国、インド▼繊維は米国、カナダ▼鉄鋼は中国、インド――だった。

 自動車業界の意見を発表した韓国自動車産業研究所のパク・ドンチョル専任研究委員は「日本以外の国とのFTAも国内の自動車産業には肯定的」とし、市場や貿易規模が大きく資本蓄積・技術導入効果が高いEUや米国などとのFTAを積極的に推進する必要がある」と強調した。

 FTA締結による電機・電子業種の損得について発表した鄭教授は「韓国は国際競争力を備え大部分の相手国に比べ関税面でも有利な構造を維持しており、FTA締結は業界のチャンス要因」と分析し、経済成長率を基準にみると中国が最も有望な相手国だが日本はあまり望ましくないと説明した。


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