(画像提供:wowkorea)
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新型コロナ禍の異例の状況下で開幕した東京五輪。本来ならば世界中から観客がやって来て交流を深める機会になるところだが、新型コロナウイルスがこれを阻んだ。

日韓の間では開幕前から五輪に関連する様々なあつれきが生じた。ムン・ジェイン(文在寅)大統領の訪日も結局、見送りとなった。

五輪に関わる日韓のあつれきばかりがクローズアップされるが、明るい話題がないかといえば、そんなことはない。

22日に茨城県のカシマスタジアムで行われた、サッカー男子の韓国対ニュージーランド戦では、地元・鹿嶋市の小学生たちが韓国の国旗「太極旗」が描かれた手作りのうちわを振って応援した。

今大会は、ほとんどの競技会場で無観客により競技が行われるが、茨城県は鹿嶋市で実施されるサッカー競技について、競技会場のある自治体などの児童や生徒たちが観戦する「学校連携観戦プログラム」のみを受け入れている。

鹿嶋市は2002年の日韓共催サッカー・ワールドカップの翌年の2003年、韓国南部チェジュド(済州道)の都市・ソギポ(西帰浦)市と姉妹都市になった。行政主導による交流が市民レベルへと拡大し、これまで、両市の高校選抜によるサッカーの試合や、商工会、観光協会などによる親善交流、中学生によるホームステイ体験などが行われてきた。

NHKによると、22日の韓国チームの試合を前に、鹿嶋市の豊郷小学校の6年生は20日、ソギポの子どもたちから届いたビデオメッセージを視聴した。ソギポの子どもたちは「私たちも日本を応援している。私たちの分も韓国の応援を頑張って」とメッセージを寄せたという。児童たちはこの日、試合会場で韓国チームを応援するため、応援旗を作った。

試合当日の22日は、同校と三笠小学校の児童が韓国チームを応援した。ただ、この試合で負けた韓国チームの選手1人が、勝ったニュージランド選手からの握手を拒否した出来事があり、物議を醸した。猛暑のなかで応援していた子どもたちに、恥ずかしいばかりのことだった。

一方、聯合ニュースによると、在日韓国人の親睦団体、在日本韓国人連合会中央会は21日、コリアンタウンとして有名な東京・新宿区大久保に、日韓両国の五輪選手を応援する大型の看板を設置した。

看板は縦4.5メートル、横11メートル。日本語と韓国語で「がんばれ日本!がんばれ韓国!」と記されている。

20日に看板の除幕式があり、同会のク・チョル(具哲)会長のほか、カン・チャンイル(姜昌一)駐日大使、日本側からは日韓親善協会中央会の会長を務める河村建夫元官房長官が出席したという。

ク会長は「両国関係が厳しい時こそ民間交流を広げようということ」と看板設置の趣旨を説明し、カン大使は「平和と和合の祭典である東京五輪の成功を祈り、韓日両国選手団の活躍を在日同胞が心を一つにして応援していることを示す象徴だ」と述べた。

開幕式の23日は、韓国でオーストラリア応援団の垂れ幕のことが報道された。垂れ幕には「THANK YOU」「心より感謝いたします」と、コロナ禍の中でも「人類の祝祭」オリンピックを準備してくれた日本に対する感謝の気持ちが込められていた。この写真により、韓国内では自省の声も上がった。

五輪が開幕し、いよいよ日韓の選手たちも続々と各競技に挑む。五輪は「人類の祝祭」であり、「平和の祭典」。互いの国にエールを送った鹿嶋市とソギポ市の子どもたちを、大人たちこそ見習うべきだ。

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