(画像提供:wowkorea)
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ソウルの飲食店やコンビニなどほとんどの店で支払いや精算する時”ヨンスチュンデゥリカヨ(領収書必要ですか?)”と必ず聞かれます。

 日本では普通お釣り(ある場合)と共にレシートをくれるのが当たり前なのに、ソウルに来てそう聞かれると一瞬戸惑います。“何を当たり前のことを”と思いますが、ソウルではそれなりの気配りであり、サービス心なのです。

 韓国ではカード決済すると自動的に携帯にいくら、どの店で、何時に、決済したかが瞬時に出ます。そのデータが税務署に送られるのでいちいち紙の領収書を年末決算の為に添付しなくても自動的に処理されますので、領収書をもらう必要がありません。ゴミになるならこちらで処理します。という言う意味でお客に聞くのです。

 韓国では電算化が進み、500ウォン(約50円)の品物でも、タクシーの基本料金(約380円)の支払いでもためらいなくクレジットカードが出せるのが今の韓国です。日本では少額の物を買う時クレジットカードで決済するのは気が引けますが、韓国ではむしろ奨励されます。

 店で現金やお釣りを準備したりその日の売り上げなど帳尻合わせする手間が省けますし、紙の節約や脱税防止にもつながります。このように韓国では日本より現金を使わなくなりカードさえあれば事は済むほど電算化が進んでいます。

 電算化が進んでいるといえばこんな事もありました。

 先日携帯に外交部(日本の外務省に該当)から突然メールが届きました。「あなたの旅券の有効期限が6か月後に切れますのでお知らせします。国によってはパスポートの期間が6か月以上ないと入国できない国があります」と、びっくりしました。

 外交部に知り合いがいるわけでもないので、「これ何⁈」と戸惑いました。案内のようにパスワードを確認すると確かにそうでした。

 これで驚いてはいけません!

 3年前、妻と日本に行くため仁川空港の航空会社のカウンターに行き手続きをしようとパスポートを提出したところ、家内のパスポートの期限が切れていると言われ、慌てました。妻を残して一人で出国するわけにもいかず…。

 ところがどっこい!空港に外交部の旅券課の出張所があり、そこで本人確認のための「住民登録証」を提示したら何と臨時パスポートを即座に発行してくれるではありませんか!「何これ?! 」こんなに簡単にパスポートを発行してくれていいのと、こちらが当惑しました。何と便利な行政サービスなのかと。電算化さまさまです。

 「住民登録証」さえあれば可能とは?! 

 この住民登録証は日本の「マイナンバーカード」のようなものですが、その機能は数倍優れものです。身元の確認だけでなく、保険証の代わりになりますので病院に行く時、いちいち保険証を持っていく必要がありません。その他いろんなデータ(預金有無、病歴、図書館の貸し出しカードの代用等あらゆる個人情報)がつながっていますのでこのカード1枚でほとんど事足りるので便利です。

 この住民登録証は1968年に北のスパイの浸透(自国民か北朝鮮のスパイかを見分ける)を防ぐために作られましたが、今では進化しいろんな場面で機能しています。けれども個人データが悪用される危険性もあるので便利だと一概に喜んでばかりいられません。これが独裁政権に悪用されたりされるとプライバシーが筒抜けになり、がんじがらめになる心配もあります。

 けれども昨今のパンデミックの時はコロナ発生者の追跡、ワクチンの接種など、迅速な機能を発揮し拡大防止に役立たせましたので痛し痒しです。

(追記)
 先日、日本のある団体から諮問委員になってもらえないかとの依頼がありました。ついてはFAXで履歴書を送ってくれとのことでした。FAXで!? 絶句!!! 

※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。大韓航空訓練センター勤務。アシアナ航空の日本責任者・中国責任者として勤務。「あなたは本当に『韓国』を知っている?」の著者。

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