歌手ソン・シギョン
歌手ソン・シギョン
ことしは日本でも精力的に活動を展開してきた“バラードの皇帝”ソン・シギョンが、日本2ndアルバム「君がいるよ」(11月21日発売)を引っさげ、12月28日(土)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにて、年末コンサート「ソン・シギョンJAPAN CONCERT 2018“君がいるよ”」を開催。

ソン・シギョン の最新ニュースまとめ

 今回も、聴く人の心を震わせる歌声で感動を、そして飾らない楽しいトークで笑いを届けながら、アルバム収録曲を中心に、自身のヒット曲、カバー曲までアンコール含む全24曲を3時間超えのパフォーマンスで魅せた。

 オープニング映像後、生バンドの演奏で、ステージ中央からワインレッドのスーツに身を包み、登場したソン・シギョン。優しく澄んだ歌声で会場を包み込むように、韓国デビュー曲「僕に来る道」で幕を開けた。

 「こんばんは。いよいよ始まりました。皆さん、お越しいただき、ありがとうございます。ソン・シギョンと申します。よろしくお願いします」とあいさつし、さらに流暢になった日本語でファンとコミュニケーションを図っていく。

 ところが、いきなり「悲しいお知らせがあります」とソン・シギョン。この1か月、禁酒しながらお坊さんのような生活をしてきたのに、きのう風邪を引いてしまったのだという。「“そんなに痩せたの”とか褒められたかったんですよ。だから、好きなお酒も控えめにして。あ、控えめじゃなくて、2回ぐらい飲んだかな(笑)。ま、その2回を除外すると、1滴も口にしていない。すごいことですよ、僕には。完ぺきにしたかったのに…。だから、風邪を引いてしまって、悔しくて。ですけどね、最後まで本当に頑張りますので」と力を込め、会場を埋め尽くしたファンを見渡し、「きょう素晴らしい一日になりますように頑張ります」と意気込んだ。

 1部はソン・シギョンの想いのこもったバラードナンバーがズラリ。「鼓動は届く」、ドラマ「シークレット・ガーデン」のOST「君は僕の春だ」に続き、「ならいいのに」ではソン・シギョンが客席にマイクを向け、ファンと一緒に歌うなど温かい雰囲気に包まれた。

 最近、仕事終わりに1人でご飯を食べに行っているというソン・シギョン。クリスマスイブに、新橋でとんかつ屋に入ったら、すぐに韓国人カップルにバレてしまい、気まずくて逃げるように店を出たそうで、さらに、向かいの焼肉屋に入ったら、カップルとカップルの間に座ることになり、寂しい気持ちになったし、店に申し訳なくて、カップルよりもたくさん注文したというエピソードを面白おかしく話し、「クリスマスイブに、カップルの間で焼肉を食べたという不思議な経験をしました(笑)」と明かし、会場の笑いを誘った。

 また、遅れて入ってきたファンを見つけるたびに、「いま着いたんですか?もう半分経ったんですよ。すごいオープニングだったんですけど(笑)」と客イジリもするなど、歌とトークのギャップがソン・シギョンの魅力で、1秒たりとも飽きさせないのがさすがだ。

 次の曲は柔らかく、優しい曲を歌いたいと思って作ったと曲紹介をし、歌詞が胸を打つステキなラブソング「幸せならそばにある」を熱唱。続けて、今回のアルバムのタイトル曲「君がいるよ」も、キュンとくる歌詞の世界観を見事な表現力で届け、ファンをうっとりさせた。

 日本語の曲も難なく歌いこなすが、日本1stアルバム「DRAMA」はいま聴くと発音が良くないから、歌い直しをしたいというソン・シギョン。「死ぬまで気になると思います(笑)。みんな優しくて、“良かったですよ”、“日本人じゃないかと思いました”とか言ってくれるから…。その言葉に騙された」と茶目っ気たっぷりに語った。

 そんなアルバムの中から、「自分が歌った曲を聴きながら、自分が励まされるのは初めての経験でした。この曲は歌いながら、学べる。いま僕もそういう状態じゃないかなとすごく共感ができて、歌うたびに入り込める曲です」とタイトル曲「Life is...」を披露。「いつか光が射すその朝を見つけるまで」という歌詞に合わせ、映像と照明の演出も幻想的で、会場には希望に満ちた雰囲気が漂った。

 そして、ソウルでの単独コンサートで多くのファンを魅了した「永遠に」(韓国配信シングル)を披露した後、「次は殺人的な曲だから心配(笑)」とインターバルを置こうとトークを長く引き伸ばすソン・シギョン。「人間はどう考えるかが大事。精神一到という言葉がありますけど、精神力で何でもできる」とお父さんから教わったという教訓エピソードまで飛び出し、さらには「“一億人から君を見つけたよ”って歌詞にギュッときました。韓国も早く人口増やさないと」と自身の結婚話にまで発展したところで、「あしたのことはあした考えます。頑張って歌います!」と意を決して、ファンも待ち望んでいた「粉雪」を熱唱した。

 次も「マイナーコードの曲なので自信がなくて」、「似合わないかも」と前置きしつつも、歌いたかったという「スターダスト☆レビュー」の「木蓮の涙」をカバー。ソン・シギョンのスタイルで、見事に歌いこなし、1部を終えた。

 2部は、日本で新人歌手のようにチャレンジするソン・シギョンの姿、それを支えるマネジャーからの温かいメッセージに続き、小田和正に手紙を書いたら、手紙の返事が来たとうれしそうに話すソン・シギョンの映像を受け、小田和正の「キラキラ」からスタート。曲中、ソン・シギョンは客席に降り、広い会場の通路を颯爽と走り抜けていくという演出も。「ちょっと走ってみたかったんです(笑)」と元気にスタートした。

 そして、クリスタル・ケイとデュエットした「愛はなぜ」をコーラスの早川咲と息の合った歌声で披露した後、歌詞に出てくるように、夜の砂浜で彼女とマフラーを2人で巻くというような経験をしたいと話して、「しぶんぎ座流星群」を情感たっぷりに歌い上げた。

 さらに、「キュヒョン(SUPER JUNIOR)のファンにも助けてもらったけれど、来年5月になったら(キュヒョンの元に)戻ってもいいですよ(笑)」とキュヒョンとコラボした「HOME」、ファンのためにアルバムに入れたという「思い出」と続いた。

 スクリーンに文字が映し出され、「記憶の有効期限はどのくらいでしょうか?」と始まるソン・シギョンのナレーションの後、山崎まさよしの「One more time, One more chance」、「スターダスト☆レビュー」の「追憶」をカバーしたソン・シギョン。歌い終わると、切ない表情でいますぐにでも泣けると話し、どっぷり感情移入しながら歌っていたのが観客にも十分伝わるほどだった。

 そして、歌詞の世界について触れ、「2人の間に何があったのか分からないですけど、バラード曲は優しいですよね。“ここで待ってる”、“夢で会おう”とか。でも、ダンス曲だと、“許さない”になる」と面白い解釈をしたソン・シギョンは、「悲しい歌を歌うと心が痛いけど、歌が終わるとスッキリするというか癒やされます」とバラードへの愛着を見せた。

 次の曲は「この曲を超えるヒット曲はまだないんです」と曲フリをし、「道で」を披露。ファンも一緒に歌いながら、ソン・シギョンの優しい歌声に酔いしれた。

 公演も終盤に入り、いままでの雰囲気とは一変。ソン・シギョンの新たなチャレンジが始まった。スクリーンに、“スタンドアップ”の文字が出ると、会場は総立ちに。カジュアルな衣装に着替えたソン・シギョンはダンサーと共に「君がいるだけで」をはにかむようにキュートに踊ると、次はなんと「ゆゆゆぅ!えす!えぇ!」のイントロが。ことし大ヒットした「U.S.A.」をまさかバラード歌手が!? という想像を超えた選曲、そしてカッコよく踊るソン・シギョンの“いいねダンス”に、ファンも大興奮!ダンサーだけでなく、後ろにいたバンドメンバーも一緒に“いいねダンス”を踊り、客席も一体となって大盛り上がり。曲終わりに「新年おめでとうございます」とソン・シギョンの直筆メッセージとサインが入った金テープが打ち上げられ、観客のボルテージは最高潮となった。

 その勢いのまま、ダンスナンバー「微笑天使」と続き、汗をぬぐったソン・シギョンは本編最後を「ただ青空であるように」で締めくくった。

 アンコールでは、「二人」を歌いながら、客席から登場したソン・シギョン。一人ひとりと目を合わせるように、ゆっくりと手を振りながら通路を練り歩き、たっぷりファンサービスも。大きな拍手が鳴りやまず、ファンの歓声が続くと「終わりました。皆さん、帰ってください(笑)」と言いながらも、うれしそう。「まだ帰れない」、「シロ~(嫌)」、「アンドェ~(ダメ)」などの声があちこちから上がると、12月は小劇場コンサートのため、毎日3時間以上、ピアノの練習をしていたことを明かし、日本の小劇場コンサートのツアー名は、NHKに許可をもらえるなら、「ハングル講座」にして、1曲ずつ重要なポイントを教えてから歌いたいなどと冗談ぽく話す一幕も。

 続けて、ダイエットも怠らずにやっていきたいと話したソン・シギョンは「きょうは1曲1曲集中して歌えて、心より感謝しています。初公演というのは自信のない公演というか、いくら頑張っても、ちょっと足りないです。でも、無事に終わったのは皆さんのおかげです」とファンに感謝。

 最後の曲は「この曲、やめられないんですよね。声が崩れていて、歌わない方がいいんですけど。日本語講座があったら、韓国人に絶対教えたい曲です。歌手の気持ちが込められていて、いい曲です。すごい高いキーですけど(笑)。きょうは皆さんありがとうございました。楽しかったです」とあいさつし、「歌うたいのバラッド」をマイクスタンドを持って熱唱。最後の歌詞「愛してる」では天井を仰ぎ、全身全霊を込めて振り絞るように歌い切った。

 冒頭で風邪を引いたと話していたが、全くそんなことを感じさせない歌声、パフォーマンスを届けたソン・シギョン。彼の“本気”が感じられる圧倒的なステージに、観客は魅了されっぱなしだった。




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