ソプラノ歌手、田月仙 30周年記念リサイタル開催へ
ソプラノ歌手、田月仙 30周年記念リサイタル開催へ
来る8月31日(土)大阪ザ・フェニックスホール、10月12日(土)東京紀尾井ホールにて、ソプラノ歌手、田月仙(チョン・ウォルソン)が30周年記念リサイタル「田月仙(チョン・ウォルソン)30周年記念リサイタル 歌に生き 愛に生き」を開催する。

 田月仙(チョン・ウォルソン)は、「魂を揺さぶる歌声」が多くのファンを魅了してきた日本生まれのソプラノ歌手。二期会の会員として世界の舞台でオペラやコンサートに出演する傍ら、日本の小泉純一郎総理大臣、北朝鮮の金日成(キムイルソン)主席、韓国の金大中(キムデジュン)大統領など、日朝韓の首脳の前で歌った唯一の歌手としても注目を浴びてきた。また、初の南北(韓国・北朝鮮)両公演、初めて韓国ソウルで公式に日本の歌を歌うなど、「日韓の架け橋」としての役割を果たしてきた。

 ことし4月7日には、韓国KBSの「KBSスペシャル」で「海峡のアリア ~田月仙30年の記録~」という特別番組も放送され、一時、大手検索サイトで検索語トップになったという。日韓の狭間で歌い続ける在日コリアンの姿は、反響も大きく多くのメールが届いた。

 田月仙はデビュー以来30年間、日本朝鮮半島の歌を紹介し、高く評価されてきた。田月仙の歌うコリア歌曲はデビュー当時から「韓国朝鮮の歌がオペラアリアと同じレベルで紹介されるのは嚆矢(初めて)とするのではないだろうか」と音楽評論家に評されるほど聴く人々に新鮮な驚きと感動を与えた。田月仙がソプラノで歌うコリア歌曲は他には聞けない独特なもので、作家の唐十郎や梁石日など多くのファンがいる。また、本場韓国の歌番組「開かれた音楽会」などテレビの音楽番組にも何度も出演しコリア歌曲を歌っている。また、韓国では日本文化が開放される以前から日本の歌を紹介し両国の親善に大きな役割を果たして来た。

 田月仙がリサイタルで歌う歌の中には自ら見つけ出した歌も多く含まれている。各地のコンサートの合間に、日韓の歴史に埋もれた歌(SPレコードや楽譜など)を探し出し、歴史の証言者の話を聞き取り、それを文章にしている。それは、3冊の音楽ノンフィクション(「海峡のアリア(小学館」)、「禁じられた歌(中央公論)」、「K-POP遙かなる記憶(小学館)」)になった。田月仙は自らが見つけ出した歌を、その歌に込められた背景に思いをはせ、それを再び自らの解釈で歌うというプロセスを続けており、今回のリサイタルでも新しい曲も取り入れる予定だ。

 リサイタルでは、オペラアリアのほか、朝鮮半島の歌や日本の歌を彼女ならではの表現で綴る予定。特に朝鮮半島の民謡「正調アリラン」などは民謡をベースにクラシック音楽のアレンジを加えた独特なもので、他では聴くことの出来ない「唱とベルカントの出会い」と期待されている。また、日韓のテレビでも度々紹介されている代表曲「高麗山河わが愛・山河を越えて」は、南北コリアの和合を訴えたもので今でも絶大な支持を得ている。オペラでは田月仙が得意とするプッチーニ作曲の「トスカ」より「歌に生き愛に生き」なども紹介する。

 8月31日は、日本のファンはもとより大阪に数多く暮らす在日コリアンの人々や根強いファンたちからのご要望に応えるかたちで、初の大阪でのリサイタルが実現することになった。また、10月12日の東京公演では、作曲家ピアニストの朝岡真木子氏に加えて、新進気鋭のバイオリニスト・SONGIL(ソンイル)も共演して、新たな音楽表現を披露する。


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