フランスに本部のある国境なき記者団は昨日、声明を発表し、中国大使館が25日に公式ホームページで発表したフランスのメディア・記者に対する批判について非難した。
フランスメディアは最近、台湾問題に注目しており、数度にわたって中国が台湾をおびやかしている現状を報道。これに対し、中国大使館は「(記者の)職業道徳順守」を要求する文章を発表。「ル・フィガロ」紙の記者に対し名指しで、「虚偽のニュースを垂れ流しており、現実を好き勝手に歪曲している」と批判していた。
国境なき記者団は声明で、在フランス中国大使の盧沙野氏がフランスの記者を攻撃したことを批判。「外交官に報道に関する指導をする資格はない。しかも、彼が代表しているのは全世界で最も報道の自由がない政権の一つだ」とした。
国境なき記者団は盧沙野大使を「メディアへの悪口で有名な哀れな常習犯」とし、「恥ずかしげもなく(フランスメディアに)職業道徳を守り、事実を尊重しろ(と言った)」などと非難した。
国境なき記者団のクリストフ・ドロワール事務局長は声明の中で「我々は中国大使がニュースメディアに対する恣意的な雑言をこれ以上ばらまかないよう要求する。フランスメディアが盧大使にとって独立的過ぎるのならば、北朝鮮のような専制国家への異動を申請した方がいい。それならばホームシックにもかからないだろう。なぜなら、あそこも政権を代弁するメディアしかないのだから」と皮肉を交えて非難した。
盧大使は中国の「戦狼外交」を代表する人物と目されている。2020年3月には、フランスの記者が中国を嘲笑し、新型コロナウイルスに関する虚偽の報道をしたと批判。また、フランスの国会議員に手紙を出して台湾訪問取り消しを迫ったり、中国に批判的な学者を「ごろつき」「狂犬」と呼ぶなどして問題となり、フランス外交部の呼び出しを受けていた。
国境なき記者団は公式ホームページで、盧大使の記者に対する挑戦的態度は中国政府上層部の政策の一環であり、その目的は外国から中国に流れてくる報道に影響を及ぼすためだとしている。
今年10月には、中国の政府系メディア「環球時報」が国境なき記者団を「フェイクニュースを捏造して(中国を攻撃している)」と批判。国境なき記者団を「野良犬」などと表現した。
国境なき記者団の今年の「世界報道自由度ランキング」で、中国は180の国・地域のうち177位となっている。
Copyrights(C)wowkorea.jp 106

