俳優チソン
俳優チソン
ドラマ「キルミーヒールミー」は、絶えず“もしも”という仮定がつきまとっていたドラマだった。“もしも”チソンが「キルミーヒールミー」に出演していなかったら、または“もしも”チソンとファン・ジョンウムが「キルミーヒールミー」で再会していなかったら、どんなドラマとして残っただろうか。「キルミーヒールミー」は元々、チソンに最初にオファーされたドラマではなかった。多くの男優による相次ぐ辞退によって不運のドラマになるところだったが、チソンに出会って翼を得て幸運のドラマになった。

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 俳優チソンの再発見だった。単純に七重人格の演技に挑戦したからではない。チャ・ドヒョン、シン・セギからカン・ヨナ、ミスターXまでの多様な人格を完ぺきな演技力だけで作り出したからというだけではない。全てを注ぐ演技に作品に対する俳優の真心があったからだ。どの人格もなおざりにせず、キャラクターの全ての深みを演じる姿に、チャ・ドヒョンに対する哀れみや、シン・セギに対する愛情も可能だったわけである。

 チソンにドラマ終了の感想やエピソード、演技に対する考えなどを聞いてみた。特に作品によって高まる人気と演技への好評に対してチソンは「僕の道はずいぶん長い間走って回らなければならない道だったと思う」と述べた。長い間回ってきた道で得ることができた賛辞だからこそ、感謝の気持ちを忘れないと語った。そして「キルミーヒールミー」のようにこれからも真心をこめられる作品と出会えたらうれしいという。


<b>―ドラマが終わった感想は?</b>
少し遅い段階で合流し、急いでキャラクターを準備しなければならなかったので、どうやって演じたらいいのか、どんなメッセージをこめなければならないのかという悩みが大きかったです。欲は捨てて、結果を期待せずに演じようと思ったので、多くの人が共感してくださったのではないかと思います。スタッフが思いきり演じられる場を作ってくれて、現場でじっと見守ってくれたので、僕の人生に長く残る作品になりました。

<b>―撮影中に急性声帯浮腫になったと聞いて多くの視聴者が心を痛めていました。</b>
強行スケジュールが続いたので、体調が悪くなってしまいました。17話で頓狂な声を上げるシーンがあったので、役に没入していたら喉がつぶれて声が出なくなったんです。それで病院に行きました。声が戻るまで1日かかったのですが、僕のせいで放送に穴があくのではないかと心配しました。幸い、すぐに声が戻ったので、撮影を終えることができました。

<b>―多くの男性俳優が辞退した作品でしたが、このドラマに魅かれたのはどんな所ですか?</b>
オファーが来る前に偶然シノプシスと台本を見たのですが、僕だったらうまくやれるのではないかと思っていたんです。そしたら実際に僕にオファーが来て、すぐに出演を決めました。キム・ジンミン監督と10年前にドラマ「心ふるわせて」で一度ご一緒させてもらったのですが、その時本当に心が温かくなったいい思い出がありました。監督のおかげで最終決定したということですね。

<b>―七重人格を演じながら、感情の消耗が相当あったと思いますが、だからこそそれぞれの人格と離れるのは寂しくなるのではないですか?</b>
全ての人格が本当に大事でした。アン・ヨナのように女性の制服を着て、シン・セギのようにアイラインを引いて、フェリー・パクのように全羅南道(チョルラナムド)麗水(ヨス)の方言を使って、今後いつ演じられるでしょうか。僕にとってキャラクター全てが大事に残っていて、真心を込めて作った思い出があります。どんなキャラクターが一番よかったのか選ぶのは難しいですね。

<b>―混乱することはなかったですか?</b>
実は、最終回に向かっていくほど心配になりました。日常にきちんと戻れるだろうかと思ったのですが、余韻がずっと残るのではないかと怖いくらいでした。時が経つにつれてすごく苦しくなることもあるだろうし、憂うつになることもあるだろうけど、その前に家長としてやらなければならないことが多くて、しっかりしなきゃと思うことができました。

<b>―多重人格を演じるにあたって面白かった点はありますか?</b>
チャ・ドヒョンの様々な人格は、違うキャラクターだけど一人の人なので、それぞれが無関係ではないんです。怒る時に現れるシン・セギ、父親に対する記憶によって人生の方向を提示するフェリー・パク、気持ちが弱いヨソプ、いつも遊びまわりたいヨナ、最後に登場したナナとミスターXがいるのですが、これらのキャラクターはチャ・ドヒョンの幼い頃を通じて現れるようになったわけなので、一人のチャ・ドヒョンを語りたかったのです。だから僕はヨナを演じながらも笑いませんでした。そんな人物がチャ・ドヒョンを作っているのだと考えながら演じていたので、そういった部分が面白いところだったと思います。

<b>―妻で女優のイ・ボヨンさんはどの人格を気に入っていましたか?</b>
ボヨンはヨナが一番気に入っていました。ある時は、ヨナが出てくるシーンを目の前で見てみたいと言って、現場に来たこともありました。実は見に来る人が多くて、初めは恥ずかしかったんですが、これは演技だと思って一生懸命に走りました。この姿をボヨンが隠れて見ながら涙を流したそうです。うちの家長が女性の制服を着て街中を走っている姿を見て、ぐっときたそうです。それからはお弁当もよく準備してくれ、待遇がよくなりました(笑)。

<b>―ヨナが使っていたティントが完売を記録したそうですね。</b>
完売してうれしいのですが、僕は女性ではないから初めはあきれてしまいました。だけどティントはヨナにとって本当に大事な武器だったじゃないですか。走りながらも唇に塗るほどだから(笑)。業者からティントをプレゼントしていただいたので、ボヨンにあげたりもしました。

<b>―女優ファン・ジョンウムさんとはドラマ「秘密」に続いて2回目の共演になりますが、今回は二人にとってより特別な作品になったのでは?</b>
実際に、2つの作品で共演することはなかなか難しいんですが、今回のように連続で共演するケースは本当に珍しいです。息が合うかというのは本当に大事ですが、ジョンウムさんがうまくリアクションをしてくれました。相手がリアクションをしてくれなければ、僕の演技も無意味になります。前半でシン・セギが現れ「覚えておいて。俺がお前に惚れた時間」というセリフがあったのですが、ジョンウムさんがウィットに富んだ反応をしてくれなければ、そのシーンはうまく生きなかったと思います。

<b>―ファン・ジョンウムさんはまたチソンさんと共演したいと言っていましが、どうですか?</b>
もちろん僕もそうです。また一緒にできる機会があれば、いつでも共演したいです。ジョンウムさんが、自分が結婚してからまた共演しようと言っていたのですが、おそらくそうなるかもしれませんね(笑)。

<b>―劇中でオ・リジンに対するチャ・ドヒョンの気遣いも話題になりましたね。</b>
僕には当然のことでした。幼い時から母親が、女は愛される存在だと言っていました。母はいつも歩道の内側を歩き、僕は車道側を歩いていたんです。だから一つ一つの行動が体に染み付くしかなかったんですね。だけどボヨンはそれをわかっていないんです。放送を見て、自分にもそうしてくれるかと聞いてきました(笑)。

<b>―チソンさんが選ぶ「キルミーヒールミー」の名場面・名セリフは何ですか?</b>
ヨソプを通じて、最近生活が大変な人たちへの希望と生きていかなければならない理由を伝えたかったんです。最後のフランス語のセリフを思い出します。「風が吹く。生きていかなきゃ」というセリフが、なぜかわからないけど、涙が出たんです。シン・セギのセリフでは「覚えておいて。俺がお前に惚れた時間」が一番心に残っています。今もファンやスタッフにこのセリフを言うと、喜んでもらえます。

<b>―ドラマでは児童虐待に関するメッセージがこめられていて、結構重いものだったと思いますが、いかがでしたか?</b>
児童虐待に関する部分については、演じながら胸を痛める思いでした。チャ・ドヒョンの過ちのせいで、オ・リジンが代わりに暴力を受けていたことがとてもつらかったです。特に子役がものすごく上手に演じていたので、見ながら涙が出てしまいました。ニュースを見れば、本当に良くないこともたくさん起きているじゃないですか。保育園での虐待問題もあったけど、子どもは我々が惜しみなく愛されなければならない存在です。このドラマが多くの人たちにいいメッセージを伝えられていたらうれしいですね。だからこのドラマに対する自負を感じていました。これからも多くのドラマが、単純な楽しさだけを志向するのではなく、話で人を感動させられたらいいと思います。

<b>―年末の演技大賞候補に今から挙がっているみたいですよ。</b>
賞が重要だとは思っていないし、考えたこともありません。「キルミーヒールミー」に出演しただけでも大賞をいただいたのと同じくらい光栄なことだと思っています。映画やドラマを通じて僕ができることをしたのなら、賞はそんなに重要ではありません。昔は、他の俳優たちが賞賛されている記事を見ると、僕もあんな俳優になれるだろうかと思っていたけど、最近は僕に対してのいい記事を見るたびに心からありがたく思っています。もっと成長しなきゃと思うし、俳優として存在していくだけでも満足です。僕の道はずいぶん長い間走って回らなければならない道だったように感じます。これからも「キルミーヒールミー」のように真心を込められる作品に出演し続けることができたらうれしいです。成長する姿をお見せしたいです。

<b>―同じ時間帯に放送しているドラマと素材が類似しているという騒動がありましたね。</b>
もう一つのドラマも似たような素材のドラマだったので、いろいろな噂が出てきたみたいです。しかしプレッシャーは全くありませんでした。似ている素材を扱っていたけど、いいドラマを作るために努力しているのは同じだと思います。盗作疑惑については僕からは何とも言えません。与えられた状況で真心込めて演じただけです。

<b>―今回のドラマで10~20代までファン層が広がったそうですね。</b>
本当に「キルミーヒールミー」のおかげで、アイドルではないのにアイドル級の待遇を受けています。オ・リジンの少女時代を演じた子役が僕を「おじさん」ではなくて「お兄さん」と呼んでくれました(笑)。僕がまたいつこんなアイドル級の待遇を受けられるかわかりません。両手を広げて歓迎し、ありがたく思っています。

<b>―ファンによるボランティアが話題になりましたね。</b>
その話を聞いて本当に胸がいっぱいになりました。僕もまたいつでも参加したいと思っています。何人かでも作品によって心が温かくなっていたら、うれしいです。

<b>―もうすぐパパになりますね。</b>
早く娘に会いたいのに時間がなかなか進まないですね(笑)。お腹の中の子が大きくなってくのが目で見えるので不思議です。予定日は6月末ですが、その時また涙が出てしまいそうな気がします。




[Preview 따끈예고] 20150311 KillMe HealMe 킬미 힐미 - ep.20




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