イ・ジョンジェ=7日、ソウル(聯合ニュース)
イ・ジョンジェ=7日、ソウル(聯合ニュース)
「『下女』はちゃんとした成人を演じさせてくれた、ありがたい映画です」――。

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 映画『下女』で上流家庭の主人・フンを演じるイ・ジョンジェは、先ごろソウルのカフェで行ったインタビューで、以前はフンのような役はあまり似合わなかったが、今は似合っているようだとの声を聞くといい、「これからは本当の成人役を演じていくと思う」と話した。


 1993年のSBSドラマ『恐竜先生』でデビュー、役者生活はことしで17年目を迎える。1994年に『若い男』で映画界にも足を踏み入れ、『下女』まで含め映画だけで16作品に出演した。中堅俳優という言葉がぴったりの経歴だ。

 デビュー以来、常に主人公を演じてきた。『朴VS朴』(1997年)、『太陽はない』(1999年)、『イルマーレ』(2000年)、『タイフーン~TYPHOON』(2005年)、『1724妓房乱動事件』(2008年)まで、単独、あるいはツートップで主役を演じた。

 だが、イム・サンス監督の『下女』では少し事情が違う。イ・ジョンジェは「登場シーンがあまりなく、自分のシーンすべてに愛着がある」と冗談めかして話した。それほど、少なくとも彼のウエートは量的には大きくなかったとの説明だ。

 「俳優とは主人公かそうでないかに敏感になる職業です。シナリオを受け取ったとき、本当に比重が小さかったんです。キャラクターそのものも好感が持てるスタイルではありませんでした。自分が今この役をすべきなのか、疑問に思ってためらいましたね」。

 しかし、作家主義と商業主義の映画の間で綱渡りをしてきたイム監督への信頼が、出演を決意させた。「良い映画にはいつもイ・ジョンジェがいる」という事実を大衆に伝えることも、主人公かそうでないかに劣らず大切だと考えたという。

 悩んだ末の選択の結果はどうだったのか。彼は、「『この映画は本当にうまい選択だった』という評価を聞いた」と笑う。

 イム監督の『下女』は、故キム・ギヨン監督(1919~1998年)が1960年に制作した同名映画をリメークした作品だ。ウニ(チョン・ドヨン)やフンを通して、中間層が崩壊し所得格差が進んだ韓国社会の荒れ果てた風景を描いている。
 イ・ジョンジェの登場シーンはそれほど多くないが、強烈な印象を与える。人を見下すかのような冷笑と露骨な言葉遣いは、観客に不快感を与えるに十分だ。

 「『根がいやしい人間はどうしようもないから』というせりふがあるのですが、自分がそう考えているように受け取られないかと不安もありました。演技でしたが、わいせつで下品なせりふを吐くことも決まり悪かったですね」。

 同年輩の共演者、チョン・ドヨンについては「演技がとても上手」とほめたたえた。役者は映画で欲を出すシーンがあるもので、そうなると演技が作為的に見えたりオーバーな印象を与えるが、チョン・ドヨンはそうしたことを超え、ウニという女性そのものになったように演じていたと評価した。
 一方、チョン・ドヨンとのベッドシーンについては、話の流れから当然脱がなければならない部分のため、負担は感じなかったという。

 最近では、感情を噴出する演技より自然な演技に関心が高い。「映画『クレイジー・ハート』でことしのアカデミー賞主演男優賞を受賞したジェフ・ブリッジスさんも、歌を数曲歌っただけのようですが、映画を見ると共鳴がものすごいでしょう。最近はそうした演技に関心が向きますね。チョン・ドヨンさんの演技もその種の演技です」。



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