ユ・ジテ=21日、ソウル(聯合)
ユ・ジテ=21日、ソウル(聯合)
落ち着いた話し方にやさしいまなざし。穏やかで気さくそうに見えるが、ユ・ジテは映画と演技に確固たる信念を持つ俳優だ。

ユ・ジテ の最新ニュースまとめ

韓国映画『リメンバーミー』『春の日は過ぎゆく』で穏やかなイメージを印象付けた後、『オールド・ボーイ』では執着する強い男の姿を見せた。ホン・サンス監督の『女は男の未来だ』の挑戦に続いては、『美しき野獣』のエリート検事、世の中に不満を持つ『ファン・ジニ』の奴婢を演じた。その次に選んだ作品が27日に封切られる『純情漫画』だ。

直接シナリオを手がけることにも意欲的だ。すでに短編映画監督として認められているユ・ジテは、これまで『自転車少年』など3本の短編映画を制作した。今年は日本の短編映画祭<ショートショートフィルムフェスティバル>で特別貢献賞を受賞している。

21日、ソウル市内のカフェで会ったユ・ジテに「お忙しいでしょう」とあいさつすると、「不景気の中、忙しくていい」と笑顔で答えが返ってきた。ユ・ジテは現在、短編映画の制作作業を進めており、それが終われば初の長編映画に挑戦するという。「映画に出演しない時は時間があるので。長引かせるのは好きじゃない。制作中の短編映画はシナリオを3日で書き上げ、撮影は2日で終えた」とユ・ジテ。

直接シナリオを書きメガホンを取るだけに、演じる時にも演出者の目線になるのだろうか。ユ・ジテは、演出を手がけているからではなく、役者なら常に演出者の目線を反映せざるを得ないと説明する。全体の編集を念頭に置き、感情にのめり込みすぎず、自制することも必要だという。

好きな演技のスタイルを尋ねると、型にはまらない、その作品に最もマッチする演技と答えた。観客とのコミュニケーションを重視するとも言った。「韓国の観客は、喜怒哀楽の表現がうまい俳優を高く評価するようだ。わたしは作品ごとに異なる演技スタイルが必要だと考えている。俳優は作品の役に合わせ変化する姿を見せ、観客はその俳優が目指す演技をともに味わう。それが楽しい」

今回の『純情漫画』での演技はどういうものだろうか。ユ・ジテが演じるヨンウは、原作漫画のヨンウよりも大人っぽく人生をわきまえる姿を見せる。監督は主人公のヨンウにヒストリーを加えようと努めたが、ユ・ジテの考えは違ったという。「ヨンウのキャラクターにあるもの、その中での姿を見せたほうがいいと思った。だから、自然な感じでアドリブを多く入れたし、より落ち着いて眺める姿になった」と話す。

ユ・ジテは来月10日から放映されるSBSドラマ『スターの恋人』に主演する。テレビドラマ初挑戦の理由を尋ねると、「独り言を言う俳優になりたくないから」と答えた。「文化を純粋な芸術としてだけ見ることは間違っていると思う。どんな作品でも演技の実力を高めるチャンスはあるだろうが、自己満足だけではだめだ。映画の主演はスターに与えられる。しかし、独り言を言う俳優はスターになれない。優れた役者としてのみ生きるのではなく、観客とのコミュニケーションも考えないと」。
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