ソン・イェジン=27日、ソウル(聯合)
ソン・イェジン=27日、ソウル(聯合)
2002年『永遠の片想い』、2003年『君に捧げる初恋』、2004年『私の頭の中の消しゴム』――。女優ソン・イェジンはいつもメロドラマの中にいた。清らかな笑顔で愛されながらも不治の病で命を落とす清純可憐な女性を演じてきた。2005年の映画『作業の定石(原題)』や翌年のドラマ『恋愛時代』ではキャラクターに変化があったものの、やはり「恋愛もの」というカテゴリーのなかでの動きにすぎなかった。

ソン・イェジン の最新ニュースまとめ

来年1月10日に封切られる新作映画『無防備都市』で、そんなソン・イェジンが悪女に挑んだ。職業はスリ組織のボスだ。最初のオファーでは快諾することができず、長考の末、他キャスティングがすべて決まった後になってようやく合流を決めた。封切りを2週間後に控えインタビューに応じた彼女は、「観客の評価が心配」だという言葉を40分の間に3回も繰り返した。

シナリオを読んで最初に感じたのは、「自分では力不足」ということだった。それが「ふと改めて読み直してみたら、この女性のカリスマの中に混ざっている痛みが見えてきたんです。読み直すたびにその魅力が変わっていく、だから引き受けました」というが、新しい役に観客も喜んでくれるだろうと思ったり、受け入れてもらえなかったらどうしようと弱気になったりの繰り返しだという。ドラマ『恋愛時代』の好評で女優としての変身に自信を持ったのではないかと尋ねると、「だから自信を持って演じたけれど、いざ封切りが近付くと緊張するし怖い」と打ち明けた。

予告編を見た限りでは、スモーキーなアイメイクに背中のタトゥー、冷たい目つきや言葉使いなど、かなり似合っているような印象だった。そう伝えると、「予告編は短いから、まだ分かりませんよ」と、やはり不安げな表情で答えた。話し方、動作、目つき、メイクまですべてが普段の自分とはまったく異なるため、役作りに苦労した。自分にも主人公ペク・チャンミのような姿が1%は隠れているに違いないと思い、それを引き出そうと努力した。心地よい意外性、新鮮さを自分が見せることができなければ、映画全体が揺らいでしまうというプレッシャーがあった。

韓国映画にはこれまでにも突出した魅力の悪女はいない。強いカリスマの女だと思うと、突如悲劇のヒロインになってしまうものが多い。ペク・チャンミもやはり悲しみを秘めた人物として描かれるため、物足りなさを感じる観客も少なくないかもしれない。ソン・イェジンは彼女なりの魅力的な悪女を、どのように演じたのだろうか。

「徹夜明けでホテルに戻って、また撮影の準備をしたことがありました。鏡を見ると、汗まみれで化粧も落ちて、顔はむくんでいて…ああ、冷たいペク・チャンミも1人でわんわん泣いた後はこんな顔をしているんだろうなと思いました。監督にお願いして、ノーメイクのむくんだ顔でベッドに腰掛けているシーンを撮りました。最初から最後までただ悪いばかりの女だったら、かえって演じやすかったでしょう。人間的な面が見えすぎてはいけないけれど、そんな悲しい感情も利用できるんじゃないかと思ったんです」

次回作もすでに決まっている。ベストセラー小説『妻が結婚した(原題)』の映画化作品だ。既婚女性が夫と別れないままで別の男性とも結婚するというストーリーが話題を呼んだ。小憎らしく図々しい女になりかねない難しい役だというと、「説得力をもって表現するのが難しい」とうなずいた。

幼い頃は、「最高の女優」になるのが夢だったというが、最近は考えが変わった。次は何をやってくれるだろうかと楽しみに思ってもらえる女優になりたい。自分の魅力を1つに限定せず、多彩な自分を見せたい、女優としての目標はただそれだけだという。

Copyright 2007(C)YONHAPNEWS. All rights reserved.

Copyright 2007(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0