大きく善良そうな瞳と明るい笑顔がトレードマークのキム・レウォン（24）が、笑みを消して放蕩児に豹変した。
キム・レウォン の最新ニュースまとめ
地下鉄のシルバーシートに横になりタバコを吸い、友を裏切り収監中の父には金をせびる。多くの女性の高鳴る胸も冷めようというもの。しかし、本人は今回の役柄に楽しさを感じ、前作よりずっと楽だったという。
映画『Mr.ソクラテス』（監督:チェ・ジノン/制作:カレッジフィルム）を掲げてたキム・レウォンに会った。
<b>ありのままの雰囲気を活かして</b>
映画『マイ・リトル・ブライド』『アメノナカノ青空』、ドラマ『ラブストーリー・イン・ハーバード』『屋根部屋のネコ』などを通じてキム・レウォンが見せた姿は顔を崩した明るく純粋な笑顔が魅力的ないい男だ。時には多少子供っぽい面もあるが、彼はいつも可愛くて愛おしいイメージでアピールした。
しかし『Mr.ソクラテス』では180度変わる。
「いつも肩の力を抜いた役柄ばかりやってきた。今回はありのままの“チンピラ”に感じてほしかった。事実（こういう役柄が）自信がある姿でもある」
その言葉通り、キム・レウォンは青少年ドラマ『私』『学校2』などの作品に出演していた当時、背が高い犯行児のイメージが強かった。また、自然人キム・レウォンは人当りが良く柔らかいマナーの裏面には、男性的で強い面を持っている。
「よく覚えていないかも知れないが、新人の時はこういう役をいっぱい演じた。反抗的で暗い役。ある瞬間、明るく変わりましたが、僕は本来“こっち”派」（笑）
それでも久々の変身には、自分なりの試行錯誤があった。
「撮影前半は“チンピラ”のように見えないという監督の指摘を受けて、撮影を中断して一時悩んだことがありました。自信があると言いましたが、これまでに体が覚えたスタイルがあってからか、初めからその雰囲気をよく出せなかったようです。だけど、ある瞬間から、そのまま立っているシーンでも自然な雰囲気が出てきた」
<b>カッコ良く描かれ過ぎてプレッシャー</b>
映画が公開された今、キム・レウォンには幸せな悩み（？）がひとつできた。天下の暴れん坊を演じたのにも関わらず、試写会の結果「カッコ良すぎ」という評価を得たからだ。
「スクリーンに、こんな風に出るとは思わなかった。後半辺りで、主人公が無鉄砲なだけの放蕩児ではないという事実を証明する程度だと思っていましたが、所々にカッコいいシーンが入っている。会う人々みんなが、僕があまりにカッコ良く描かれていると話し、本当のところ負担になっている」
組織により刑事として育てられた“悪いヤツ”が、教育を通じ“正と悪”を知っていきながら、映画の後半はキム・レウォンの活躍を見せていく。
ここにはアクションがたっぷり収められている。キム・レウォンがアクションに挑戦したのも今回が初めてだ。
「運動はある程度やっていたので、アクション演技を控えてもとくに準備をしなかった。そしたら初アクション撮影の時は3日間起き上がれなかったり、撮影途中には食べ物を全部吐き出したりもした。そのくらい大変だったが、それでも終わってみると良かった」
<b>僕を空っぽにすることに成功</b>
キム・レウォンは『Mr.ソクラテス』を通じて自らを空にすることに成功した。頑固者で有名な彼が、今回の映画に先立っては外見上の変化だけでなく、内面的にも変化を追及したのだ。
「撮影を控えてからは、徹底的に計算をして準備するスタイル。頑固者でもある。実際に僕の頑固さを押し通してよくできた作品も多い。そうなるともっと頑固になった部分もある。だけど今回は周りの話に耳を傾けてみようと思いました」
“捨てる”作業は思ったよりも難しかった。しかし彼は心に強く決めて、撮影が終わるまで耳と心を開き通した。
「デビューから8年だし、本格的に演技に欲が出始めてからは4～5年くらい経ちました。初めて僕を空けてみたら、いい結果になったんだと思います。その過程で、たった数か月の間に末っ子から長男にイメージアップしたみたいです。周りからも“でかくなった”と言われます」
2006年ドラマと映画を行き来し3編の作品を消化する予定という彼は、「大げさに計画を立てたりはしません。その時その時にやりたい作品を選びます。だけど、現在（演技者として）欲が多いのは事実。軍隊に行く前に、地道に芝居をしていこうと思っています」と微笑んだ。
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