<b>ブレイク後、10年ぶりに再び俳優として誕生する</b>

イ・ジョン の最新ニュースまとめ

イ・ジョンジェの覚悟である。芝居で勝負する、真の役者として生まれ変わった。

2003年映画『オー!ブラザーズ』以来、スクリーンを離れていた彼が、来たる12月15日に公開されるクァク・キョンテク監督の新作『タイフーン』(制作:盡人事(チニンサ)フィルム)で、変化した姿を見せる予定だ。

彼はこの映画で、海軍特殊線旅団将校“カン・セジョン”役を演じ、海賊“シン”役のチャン・ドンゴンと対決する。

去る94年、ペ・チャンホ監督の『若い男』でスクリーンに進出したイ・ジョンジェは、長身で引き締まった体格の“新世代代表美男”として一気にシンドロームを巻き起こし、“青春スター”として浮かび上がった。続く95年、SBSドラマ『砂時計』でボディーガード“ジェヒ”役でトップスターの地位を固めるのに成功した。しかし、彼の俳優人生が常に満足なものだったわけではない。人気に比べ、映画の興行成績や演技力に対する評価は芳しくなかった。『オー!ブラザーズ』を除けば、『火の鳥』『パクVSパク』『イ・ジェスの乱』『インタビュー』『オーバー・ザ・レインボー』まで、彼のフィルモグラフィーはあまり華麗とはいえない。

何か特別な措置が必要だった。イ・ジョンジェは自分に役者生命を吹き込んでくれる助っ人として、クァク・キョンテク監督を指名した。クァク監督は、役者本人も気づかなかった潜在力やエネルギーを見つけ出し、スクリーン一杯に広げることのできる演出力に定評がある。“顔俳優”のチャン・ドンゴンを“映画俳優”に生まれ変わらせたのも彼だ。2%足りなさそうに見えたチョン・ウソンに、キャラクターを植えつけたのもクァク監督である。

イ・ジョンジェは、南北分断の苦しみを全身で感じている人々を描いた映画『タイフーン』が企画されているという言葉に、『ぜひ出演したい』という思いを強く伝えた。真の男の香りを感じたかったからである。映画俳優として彼は『太陽は無い』『オー!ブラザーズ』など、多様なバーディ映画に出演したが、正直、タフな感じとは距離があった。むしろロマンスコードに近いか、落ち着いたキャラクターだった。

「マッチョ臭い役をやってみたかったんです。クァク監督が『トンケ-駄犬-』の最終撮影に入ったとき、次回作として『タイフーン』を構想中だと聞いて、直ぐに訪ねていきました。新しく生まれ変わるためもがいていた。『タイフーン』を、役者人生のターニング・ポイントにしたんです」

クァク監督をはじめとする周囲のスタッフたちは、10年前の『砂時計』のジェヒが帰ってきたと思った、と口をそろえる。映画の中のキャラクター、カン・セジョンのイメージは、時折ジェヒを連想させる。クァク監督は撮影初期、イ・ジョンジェに、「ジェヒのイメージをもう一度引き出したい」と助言し、撮影本番に強いカリスマを噴出すように指示した。イ・ジョンジェは一時期、ジェヒのイメージが自分を縛り付けていた、という脅迫観念を捨て、もう一人のジェヒ、カン・セジョンを誕生させた。

「『砂時計』以来、しばらく演技に自信をなくしていました。“イ・ジョンジェはジェヒ役のように、セリフがないのがもっとよく似合う。しゃべると演技がダメになる”という評価が、笑い話のように流れていました。振り払って自信を取り戻すまで、かなり辛かった」

彼は『タイフーン』の撮影を控えて、実際の特殊部隊で3ヶ月間訓練を受けた。
「エリート将校役に忠実になるために、ヘリのレフェルや特殊武術といった特訓を受け、暇を見ては西海交戦関連書籍を読みあさりました。9ヶ月余りの撮影期間中、ほとんど禁酒状態でしたし、禁煙までするほど役にはまり込みました。危険な瞬間も多かったですね。カーレースのシーンを撮影したとき、中央線を越え、30cmの差で事故を免れたり、船から落ちるシーンでは水にはじかれて大ケガするところでした」

イ・ジョンジェは男優の中では際立ったボディを誇る。上半身と下半身の筋肉がバランスよく発達した体つきは、一日やそこらで作られたものではない。10年以上にわたり、体系的な管理をしてきたのだ。

「普段から72㎏の体重を維持するため、食餌療法と運動を並行しています。どんなキャラクターを演じたとしても、体が準備できてこそ演じられるというのが僕の持論です」
特に、映画を撮影するときは一層ボディ管理に気を使う。彼の食餌療法は、ペ・ヨンジュンと同様、鳥の胸肉を使ったもの。

「一日4食食べますが、一日の最初の1食以外、3食はすべてサムゲタンばかり食べて運動していました。筋肉を作るには鳥肉がいいんです。1食はどうしてサムゲタンを食べないのかって?朝はサムゲタン屋が開いてないからですよ(笑)」
サムゲタンを注文したら、鳥の胸肉はイ・ジョンジェの分、残りはマネージャーの分である。

クァク監督がイ・ジョンジェにつけたあだ名は“カクドリ”。額やあご、頬骨、目の周りなど、顔の角という角は全部良いのでつけられたものである。

「これまで僕が口の周りの筋肉ばかり使っていたのに比べ、目と額周りを使っていなかったと、クァク監督が教えてくれました。今回の映画では、表情変化の中心を目と額に置いたので、これまでのイメージとはぐっと違って見えるでしょう」
彼はあるテレビ局から、『砂時計』の時の人気を考慮し、コ・ヒョンジョンとの共演を提案されたが、『タイフーン』撮影のために断ったとも話した。

「ドラマ『春の日』以来、コ・ヒョンジョンの次回作について議論する過程で、共演のオファーがきました。当時『タイフーン』の撮影がいつ終わるか確信できなかったので、応じることはできませんでした。また、『タイフーン』に集中したいところでしたし」
意外と血の気の多い性格で、自分の心をすっかり見せてやっと安心する性格だというイ・ジョンジェは、「映画の中で見せる、正義感が強く、寡黙なイメージに騙されないでください」と、笑いながら忠告してくれた。彼がこの冬、観客をどんなカラーで魅了するか、注目されるところである。

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