左からキム・ナムホ、イ・ヒムン、Ryu、ユン・ソクホ監督、チョ・ドンヒ、「冬のソナタ」音楽監督イ・ジス
左からキム・ナムホ、イ・ヒムン、Ryu、ユン・ソクホ監督、チョ・ドンヒ、「冬のソナタ」音楽監督イ・ジス
駐日韓国大使館 韓国文化院と韓国コンテンツ振興院(KOCCA)主催の「Drama Original Sounds Korea2018」が、11月3日(土)東京・山野ホールにて開催された。

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 同イベントは、日本はもちろん世界各国で愛されている韓国ドラマのOST楽曲を韓国の実力派アーティストが披露する入場無料のコンサート。会場には女性、男性問わず幅広い年代のドラマファンが多く集った。

 今年は日韓共同宣言より20年。ドラマ「冬のソナタ」が日本で初めて放映され韓流ブームが沸き起こってから15年と、日本と韓国の文化交流の歴史から見ても節目の年。今回のコンサートにはその「冬のソナタ」を手がけたユン・ソクホ監督と、ユン監督とともにドラマを盛り上げた楽曲の音楽監督を務めたイ・ジス、テーマ曲「最初から今まで」のボーカルを務めたRyuも登場。さらに、ミュージカル俳優として日韓で活動するキム・ナムホ、伝統的な民謡とロックと融合させた新しい音楽スタイルが魅力のイ・ヒムン、しっとりとした歌声のシンガーソングライター、チョ・ドンヒも迎え、古家正亨の司会で約2時間にわたって13曲を披露した。

 トップバッターのチョ・ドンヒのステージでは、ギタリストのキム・ジョンベの伴奏とともに、日本でもリメイクされて話題となったドラマ「シグナル」の挿入歌「幸せな人」など3曲を披露。美しい歌声に会場全体が癒されムードに。

 「シグナル」のOSTに参加したきっかけについて、「ドラマのプロデューサーは私の兄チョ・ドンジンが作曲したこの曲を念頭に置いて脚本を書いていたそうなのですが、うまく歌える人を探していて。最終的にやはり私しかいないと、実はドラマ放映の1週間前に歌うことが決まったんです。劇中の重要なシーンで流れる曲なので、未解決事件の被害者やその家族など、傷ついて涙する人々の心を慰めてあげたいと思って歌いました」とエピソードを明かす場面も。

 次に登場したキム・ナムホは圧倒的な歌唱力で、大人気ドラマのOSTをメドレーで歌い上げた。ドラマ「パリの恋人」を歌うシーンでは、1輪のバラを手に取ってファンの席に降り立ち、一人一人と目を合わせながら最後は「あなたを愛していいですか」の歌詞に合わせて一人の女性へひざまずき手渡しする演出に会場からは大きな声援と拍手が巻き起こった。日本のファンも多く、以前日本に留学した経験を持つというキム・ナムホはトークを日本語で披露。「いつも会いに来てくださるファンに“ありがとう”しか言えないのが悔しくて勉強しました。意外とやさしい人なのでファンになってください!」と爽やかな笑顔で語りかけ、会場の笑いを誘いながらも女性たちを魅了。最後は自身もミュージカルに参加した「僕らのイケメン青果店」の曲と、ドラマ「花より男子」の「Paradise」でより会場を盛り上げた。

 ピンヒールにスカートと、ひと際インパクトのある装いのノムノムの2人と登場したのはイ・ヒムン。IUとイ・ソンギュンが共演したドラマ「私のおじさん」のOSTとして話題となった「あの男」を披露した。韓国の伝統民謡の達人と呼ばれるイ・ヒムンがドラマOSTに参加したのはこの曲が初めて。「『ミセン-未生-』や『シグナル』のキム・ウォンソク監督から僕がやっている民謡ロックで歌って欲しいとオファーをもらい、僕もファンだったのでやろうと思って。録音して気に入ってくれたら使ってくださいと言ったら、使ってくれましたね。何をやってもダメな男が頑張っているところにこの曲が流れるのですが、映像と自分の歌がマッチしていて良かったです」と語った。日本で映像制作を学ぶために留学した経験のあるイ・ヒムンは日本語も流暢。民謡と共通点のある日本の演歌もその当時よく歌っていたと、この日も美空ひばりの「人生一路」を聴かせてくれた。

 ここからはスペシャルゲストのユン・ソクホ監督とイ・ジスのトークタイムへ。日本に大きな韓流ブームの影響を与えた「冬のソナタ」とOSTについて、裏話を教えてくれた。「冬のソナタ」だけでなく、多くのドラマでタッグを組んできたイ・ジスについてユン・ソクホ監督は、「私が想像していることをうまく理解し、音楽で表現してくれるので、何度も一緒にやりたくなるんです。私が手がけたドラマ『夏の香り』ではシューベルトのセレナーデが流れるのですが、有名な曲なのでいろんな音楽家でいろんな表現がある中、彼がもっとも私の一番好きな表現をしてくれました」と絶賛。イ・ジスも同ドラマのOSTを作るときのことについて「まず、出来上がった映像を見て、そこに音楽をつけるんです。重要なシーンの詳細は監督がはっきりと教えてくれますが、俳優の演技だけでは伝わらないことを音楽で表現できるように考えていますね」と語った。

 トークの後はイ・ジスが作曲したユン・ソクホ監督の作品「花のワルツ」と「ラブレイン」の2曲をピアノ演奏。ドラマの名場面とともに、イ・ジスの奏でる美しいピアノの音色に、会場のファンもうっとりと酔いしれた。

 最後は、お待ちかねのRyuの登場。イントロが流れた瞬間にドラマのシーンが思い浮かぶテーマ曲「最初から今まで」を歌い、会場を一気に「冬のソナタ」の世界へいざなった。司会の古家が「何度聴いてもこの曲で皆さん涙しそうになりますね。歌うのは何回目ですか?」と声をかけると、「もうこの曲は23万4千…回も歌っていますね」と会場の笑いを誘うRyu。

 「OSTを歌うのは、自分のオリジナルの曲を歌うのとは違いますね。台本をもらってストーリーにあうように歌詞を書くのは、宿題をもらったような気分で楽しいです」と語り、テーマ曲と同じくらいファンから人気の高い「My Memory」も披露。大きなモニターにはドラマの名シーンと一緒にカタカナで歌詞が映し出され、ファンとともに熱唱すると最後は大きな拍手に包まれた。

 また1回目と2回目の間に行われた記者会見では、出演者6名が登壇。韓国ドラマにおけるOSTの魅力や曲への思いなどを語ってくれた。

 ユン・ソクホ監督は「日本のドラマに音楽が流れても、映像に歌詞が載りませんよね。でも韓国のドラマはよりキャラクターの心情を出したいので重要なものになっています。すべての演出家がどのように音楽をつけるか考えているんです」。イ・ジスも「実は演技以上に音楽と映像の関係は大事だと思っています。音楽は隠れた感情を表現する、もう一つの言葉なんです」と。また日韓の関係についてユン・ソクホ監督は「『冬のソナタ』という文化コンテンツが2つの国をつなげてくれました。これからのこの交流が続くように頑張っていきたいです」と語った。

 ドラマや音楽を通した文化交流に更なる期待が高まるイベントとなった。


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