一時期、“コ・ソヨン族”という言葉があった。
1990年代中盤当時、コ・ソヨンは新世代熱風の主役であり、ブラウン管のシンデレラでもあった。
彼女の一挙手一投足、彼女のファッションコードに、韓国全体が沸いたものだった。
当時、彼女はデビュー後間もなかったにもかかわらず、大衆の爆発的な支持を博していた。

コ・ソヨン の最新ニュースまとめ

あれから10年を越す長い歳月が流れたが、彼女の人気は相変わらず熱い。
多くのファッションマガジンやさまざまな雑誌があるが、今でもコ・ソヨンが登場すると、どんなものであれ、人々の関心をひきつける。コ・ソヨンへの彼らの果てしないラブコールは、非常識といえるほどだが、相変わらずコ・ソヨンの反応は控えめだ。両者の関係は永遠の片想いのようだ。

不思議なことである。
コ・ソヨンは活発に活動をしているわけでもなく、だからといって他の俳優たちのように、マスコミによく登場しているわけでもないのに、どうしてこんな長い間、ずっと大衆の関心と愛情の対象になれたのだろうか。

コ・ソヨンをはじめてみたのは、彼女が大学2年の時だ。母親とともに、私のスタジオに訪れた彼女の姿は、“堂々”たるものだった。あまりに堂々と自信に溢れていたので、初めて目にしたその瞬間から、彼女のそんな個性に魅了された。そして、その初めて会った“女子大生コ・ソヨン”は、当時の出版界を代表する女性誌数社の表紙モデルに起用された。

検証されていないモデルという理由で、編集者たちと関係者の強い反対にぶつかったが、中でも<主婦生活>という雑誌の表紙になることについては、最も反対が強かった。当時<主婦生活>は発売部数10万部を越す、韓国最高の女性誌で、表紙モデルはすべて人気絶頂の女優たちというのが慣例になっていた。新人を表紙モデルに起用したことで、編集者たちが猛反発するのはしかなかったが、私の目にはどんな人気タレントより魅力的に見えた。

しかし、彼女の真の魅力は、“堂々たる自信”だけではなかった。天賦の色気、それこそコ・ソヨンを今日に至るまでスターにしてきた魅力なのだ。作られたセクシーさではなく、どうしようもなく漂ってくるもので、決して浅ましいとか、違和感を感じることはない。
いくら技術が発達して、あらゆるものを作り出せるとしても、真に強烈なのは“持って生まれた美しさ”なのである。最近の芸能界に蔓延する企画者たちの、いわゆる“コンセプト”によって“作られる”俳優たちとは根本的に違う美しさだ。

それこそがコ・ソヨンの魅力であり、かつパワーといえる。女性の魅力というものは千差万別だろうが、一見して目に見えるイメージで、もっとも大事なのは、何といっても女性としての色気でないだろうか。

数年前、彼女のデビュー10周年を記念するため、写真集を出版し、彼女がもっと年をとっていくまで、数年に一度、周期的に作品集を作り、写真家の眼に映ったコ・ソヨンの美しさを記録していこうと提案したことがある。いつでも自信にあふれた彼女は、この提案に快く同意してくれた。たぶんコ・ソヨンは私が作家として生きていくかぎり、私の最もすばらしいモデルになるだろう。そして多くの写真が、彼女の名前で残るだろう。

これから私はこの原稿を仕上げて、空港に行かねばならない。ロシアでの撮影のため、空港で私を待つ美しい宝石に会いに・・・

(文/写真家チョ・セヒョン)

※写真は映画『二重スパイ』PRで来日したコ・ソヨン

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