『美女はつらいよ』『ひまわり』『グエムル』
『美女はつらいよ』『ひまわり』『グエムル』
今年も韓国映画が豊作だった。
観客動員数1000万人の映画が2作品も登場し、市場占有率も62%(10月・ソウル基準)を記録中。今年公開された国内映画本数も106本で、昨年よりも20本以上増加した。制作本数が増加し、ジャンル的な幅が広まったことから、新しい素材が登場するのは当然のことだ。“整形”“動物”“不動産”などが韓国映画界の新しいコードとして浮上した。

イム・スジョン の最新ニュースまとめ

まず、整形手術を素材にした映画が目立っている。ポン・マンデ監督のホラー映画『シンデレラ』を筆頭に、キム・ギドク監督の『時間』、そして14日公開の『カンナさん大成功です!』など、いずれも整形が重要なモチーフとして登場している。まるで忠武路(チュンムロ)がこの素材にオールインしたかのように、関連映画が溢れた。整形手術問題が、社会的に熱い話題であるだけに、ドラマの葛藤の構造を作るにはとても良い素材だ。

もちろん、これを“手がける”観点は、ジャンルによって多様に分けられる。『カンナさん大成功です!』や『時間』では、アイデンティティーの混乱や自分探し、そして愛の媒介として使われた。監督たちは全員、整形について賛否を提示したり価値評価を下さなかった。代わりに整形前後を基準として、人物の内面変化に焦点を合わせた。あくまでも整形は素材であるだけで、そのものがテーマではないと言える。反面『シンデレラ』では、整形への欲望が恐怖の根源として描写される。ポン監督は「美しくなりたがる人間の欲望と、それをけしかける社会を批判したかった」と明かしている。

動物に関する映画も、今年1年目立った成果をおさめた。事実、動物はまったく面識のない素材ではないが、新しく再評価された例だ。これまで「動物が出ると失敗する」という俗説があったくらいに、動物は韓国映画とは縁遠かった。国内映画初の犬が主演を演じたコメディ映画『尻尾を振る男』やポン・ジュノ監督の『ほえる犬は噛まない』は、興行で惨敗した。

しかし、今年に入ってイム・スジョン主演の『角砂糖』と感動ドラマ『マウミ』が100万人を超える観客を動員し、興行的に成功、このような俗説を追い払った。中でも、子役と犬が出演した『マウミ』の成功は、動物が素材となる映画の志向を見せる見本となった。人間と動物の厚い友情と愛を、どうやって表現するかがカギとなったわけだ。
やや異なるケースだが、『グエムル~漢江の怪物~』も厳密にいうと同類で、動物を素材にした作品の興行を証明した。同時に、象を主人公にしたコメディ時代劇『コキラ』が、来年の公開を控えており、しばらくこのジャンルへの関心が続くものと思われる。

最後に、不動産というキーワードは、2006年韓国社会の風景と絶妙にマッチしており、新しい興行コードとして浮上した。“観客難”という声まで挙がっている最近の劇場街で、100万人の観客を突破した『ひまわり』をはじめ『卑劣な街』、『チャクペ(The City of Violence)』、『土手伝説』などが、不動産問題を映画の主要素材として使用した。ほとんどがヤクザと繋がっている開発利権争いや、その過程で崩壊する家族と共同体の悲劇を描いている。

もちろん、大きく見ればこれらもヤクザ映画のジャンルに入るが、“一般人と隔たって、拳ばかりを振り回すヤクザ映画の典型性”を脱皮したという点で意義がある。『土手伝説』を除けば、興行成績も悪くない。来年にも、廃村の危機に追い込まれた村が舞台の『1番街の奇跡』や、貧村の人生を描いた『特別市の人々』が公開され、不動産コードは続くと見られている。

これとは異なり『アパートメント』や『ある日突然-4番目の階』は、ホラーの舞台を不動参に象徴し、ホラー映画の素材の拡張に一役買った。“富の象徴”である不動産に、恐怖の根源として目をつけたのは、人とは異なる認識からだ。しかし、興行が上手くいかず、残念な結果を残している。



Copyrights(C)segye.com & etimes Syndicate & wowkorea.jp


Copyrights(C)segye.com & etimes Syndicate & wowkorea.jp 0