<Wコラム>歴史がわかれば『テバク』がもっと面白くなる

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<Wコラム>歴史がわかれば『テバク』がもっと面白くなる
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韓国で4月26日に放送された『テバク』第10話では1717年が舞台になっていた。当時は、19代王・粛宗(スクチョン)の後継者争いが大変激化していた。(写真提供:ロコレ)

韓国で4月26日に放送された『テバク』第10話では1717年が舞台になっていた。当時は、19代王・粛宗(スクチョン)の後継者争いが大変激化していた。それは『テバク』のストーリーで描かれている通りである。この時期はどんな情勢になっていたのか。史実をひもといてみよう。


■3人の王子

 第9話から新たに登場したのが、イ・ジェヨンが演じる金昌集(キム・チャンジプ)という人物である。

 彼は領議政(ヨンイジョン)という朝鮮王朝の総理大臣を務めた大物で、『テバク』では清国に使節として派遣されていて帰国したという設定になっていた。それは史実に合ったことである。

 この金昌集は老論(ノロン)派の重鎮だった。当時、老論派はヨニングン(淑嬪〔スクピン〕・崔〔チェ〕氏の息子)を後押ししていた。

 一方、少論(ソロン)派は景宗(キョンジョン/張禧嬪〔チャン・ヒビン〕の息子)を支持していた。こうして、粛宗の後継者争いの中で老論派と少論派は激しく対立していたのである。

 ただし、ヨニングンにとって金昌集の存在は大きかった。彼が粛宗の信頼を得ていたからである。

 ただし、粛宗も一筋縄ではいかない王であった。彼は、自分の後継者として景宗では物足りないと思っていた。

 それだけに、弟とはいえ、まだヨニングンや延齢君(ヨンニョングン)にも王になるチャンスがあった。

 ちなみに、延齢君は粛宗が寵愛する側室から生まれた王子である。景宗やヨニングンから見れば異母弟にあたる。
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『テバク』ではチェ・ミンスが粛宗(スクチョン)を演じている(写真:SBS『テバク』公式サイトより)



■世子が変わる可能性もあった

 粛宗の後継者の候補は3人だが、それぞれの生年を見てみよう。

 景宗が1688年、ヨニングンが1694年、延齢君が1699年である。1717年の段階では、それぞれ29歳、23歳、18歳となっている。

 すでに世子(セジャ/王の正式の後継者)は景宗に決まっていた。罪人として死罪になった張禧嬪の息子とはいえ、粛宗からすれば長男である。年長の息子を重視する儒教的な価値観でも理にかなった選考であった。

 この景宗を支持していたのが少論派であったが、対立する老論派としては黙って見ているわけにはいかなかった。

 粛宗が景宗を高く評価していないことを知っていた老論派は、なんとか自分たちの息がかかったヨニングンを世子にするための工作を続けていた。

 その際に大きな役割を果たしていたのが金昌集なのである。『テバク』の中でイ・ジェヨンが演じる金昌集が重要な場面でよく出てくるようになったのも、史実をふまえたうえでのストーリー設定なのだ。

 しかし、粛宗の気持ちはどんどん変わっていった。景宗を敬遠するようになり、可能であればヨニングンか延齢君に世子を変えたいと思っていた。それが『テバク』の第10話で描く1717年当時の状況だった。


■テギルの出番はどう扱われるか

 1717年というと、粛宗が世を去る3年前である。

 この当時、粛宗はヨニングンの母である淑嬪・崔氏をかなり冷遇している。

 というより、彼女を王宮から出して外に暮らすようにさせてから一度も会っていない。気持ちは完全に離れていた(なお、淑嬪・崔氏が世を去るのは、粛宗より2年前の1718年である)

 粛宗に見限られていた淑嬪・崔氏の息子であるだけに、ヨニングンも後継者争いで有利とは言えなかった。

 代わって有力となっていたのは、頭脳明晰で親孝行だった延齢君だった。粛宗はいずれ時期を見て世子を景宗から延齢君に変えようと思っていたはずだ。

 過去に朝鮮王朝で、世子が変わった例はいくらでもあった。それだけに、景宗は相当な危機感を持っていただろう。同じく、ヨニングンをかついでいた老論派も必死の巻き返しに出ようとしていた。

 そうした時期の緊迫感を『テバク』は巧みに描いている。

 今後は、チャン・グンソクが演じるテギルも、王の後継者争いで大きな役割を果たしていくものと思われる。そうなると、物語が大きく動いて『テバク』がますます面白くなるだろう。


文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)
2016年4月30日16時51分配信 (C)WoW!Korea

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