トム・クルーズ主演の映画『ラストサムライ』で、最後の戦いに出るオールグレン(トム・クルーズ)に、日本女性のたか(小雪)が服を着せるシーンがある。服を着せる姿勢と態度は服従の姿勢と愛といわれている。これは女性の性役割とは別に、日本文化の強者に対する服従の文化を意味している。このような日本女性に対する視線は韓国映画にもそのまま登場する。

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むしろ“日本女性は服従、従順的”というイメージをより極大化して描いている。映画『力道山』で、力道山(ソル・ギョング)の愛する日本女性アヤ(中谷美紀)が登場する。耐えて耐え抜いて、夫のため生涯尽す女性。映画は夫の力道山の前で限りなく自分の存在を低める姿を描く。

映画『風のファイター』でも、韓国人チェ・ペダルが愛する日本人女性が登場する。チェ・ペダルが愛する日本女性・陽子(平山あや)もまた、従順的で服従的な日本女性の像を見せている。

SBSドラマ『不良主夫』で、10才年上の夫・ビョンウだけを信じ、遠い日本から嫁いできたジフンのママ(ユミン=笛木優子/写真)も、日本女性の特性を表している。自分の生んだ子でない子供を、我が子のように慈しみ育てる。夫はいつも帰宅が遅く、家庭生活には情がない。
しかも親友もなく、言葉は通じず、考え方も違う人達の中で生活するというのは大変な事である。しかし、彼女はいつも笑顔で耐え、生活と夫に従順である。もちろんドラマはク・スハン(ソン・チャンミン)を通して忠告するが、すでに前提が従順な日本人女性であり、日本人女性に対する韓国人の視線でしかない。

だが、小池一夫と池上遼一の漫画が原作の映画『クライング・フリーマン』を見ると、事情は少し違う。フリーマン(マーク・ダカスコス)を最後まで苦しめる花田竜二の妻レディー・ハナダ(島田陽子)は、従順な姿を見せているようだが、強くも執拗な性格を表している

良く思われがちな、従順で服従的な姿とは違う。この他にも日本人による日本映画には服従的・従順的な日本女性よりも、それぞれの個性が光る人物が登場している。時には『感覚の帝国(愛のコリーダ)』のように、自分の人生と欲望に忠実な人物として登場したりする。

日本の女性たちが服従的で従順だという認識は、韓国人たちがそう感じている、韓国人が作り出したイメージだ。実際の日本女性たちが服従的なのかは疑問である。しかも現在の日本の文化を見ると、日本女性ほど自分の人生を積極的に求める人達もいないだろう。韓流熱風の中心にそうした女性たちがいると思うとなおさらそうだ。

また、日本女性を従順かつ服従的に描く事で、彼女たちの苦しみや、それに耐える彼女たちの夢と人生のチャンスが奪われていく様子は描いていない。つまり男性の一方的な家父長的な君臨の中で、女性たちがどんな苦しみを味わっているかについては見過ごしている。

日本女性に対する視点は徹底して家父長的な男性中心主義というわけだ。こんな視点が韓国映画に持続的に再生産されるという事は、文化的な偏見を深刻化させる。

本当に大事なことは、このように従順な日本女性を望むという韓国男性の心理ではないだろうか。韓国では求められない従順で服従的な女性を日本から代理満足させようというのではないだろうか。

しかし従順で服従的な像の裏には、いつでもするどい刃が隠されているもの。それは服従と従順が生み出した“恨”の刃だ。日本もそうだが、韓国の黄昏離婚(=熟年離婚)の増加はこの反証ではないかと思われる。

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