クォン・サンウ=10日、ソウル(聯合ニュース)
クォン・サンウ=10日、ソウル(聯合ニュース)
主演映画「探偵:ザ・ビギニング」(原題)の公開を控える韓国の俳優クォン・サンウが10日、インタビューに応じ、この作品や役者としての立ち位置について率直な意見を聞かせてくれた。

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 ドラマや映画で一気にスターダムを駆け上がった彼もデビューから15年、来年には満40歳になる。役者として演技の幅を広げるべき今の時期を「一番の危機」だと話す。多くの作品に出ることで世間との距離を再び縮めていくしかないが、映画とドラマ、また韓国と中国を行き来しながら作品に取り組んでいる状況では、どちらか一方の空白期が長くならざるを得ない。

 こうした焦りも感じる中で、「探偵」はうってつけの作品となった。クォン・サンウが演じたのは、刑事を志すも身体検査で落とされ、今は漫画喫茶を経営しながら妻と2人の子どもを養う主人公カン・デマンだ。日々の生活に追われながらも探偵への夢を捨てきれない。

 クォン・サンウの表現を借りると、「前作がヒットせず、良い作品のオファーがなかなか来ないときに舞い込んだ良い作品」で、カン・デマンは「挑戦するのにぴったりな役柄」だった。これまでにはなかった格好悪い姿を見せることも心配しなかった。常に作品に対してはオープンな気持ちでいるからだ。

 「探偵」はコメディー要素が強い犯罪推理ドラマだ。これもクォン・サンウにとっては魅力的なポイントだった。「お決まりのスリラーは誰が演じても流れる方向はある程度決まっているが、こうした話は『自分の話』にすることができると思った。人が生きるがまま、喜怒哀楽を表現すればいいのだと思った」。

 また、この作品は、撮影現場でスタッフや仲間と作品をつくり上げていく役者の情熱と喜びを呼び起こしてくれた。多忙だった20代は周りを顧みる余裕もなかったが、今回は先輩俳優や監督、製作会社関係者と毎日飲みながら映画の話をし、初めて現場を心から楽しむことができた。

 特に劇中でカン・デマンとコンビを組むベテラン刑事役のソン・ドンイルは大きな存在だ。これまで直接の付き合いはなかったが、常にその演技には注目していた。格好良いことだけするのではなく、どんなジャンルでもコミカルな要素があるキャラクター、その手本がソン・ドンイルなのだという。

 インタビュー中、「クォン・サンウならではの作品」をしたいと何度も口にした。「同い年の家庭教師」「マルチュク青春通り」など青春映画の代表作なら、もうある。今後は「『クォン・サンウが得意なアクション映画』も、大勢の観客が見てくれる『クォン・サンウの切ないメロドラマ』も、今回以上に大笑いできるコメディーも撮りたい」と意欲を示した。

 2009年に結婚した女優ソン・テヨンとの間には2人の子どもがいる。今ではすっかり妻の言うがままだが、それでも2人は友達というより、ときめきを忘れない関係だ。中国での撮影のために長く家を空ける時には家族に会いたくてたまらないという。「探偵:ザ・ビギニング」は韓国で9月24日に公開予定。 



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