ヒョンシク(ZE:A)(提供:OSEN)
ヒョンシク(ZE:A)(提供:OSEN)
「山を動かそうとするには、小さな石を運び出すことから始めなければならない」という名言が、歌手から俳優としての座をつかんだヒョンシク(ZE:A)を説明する言葉ではないかと思う。多少おおげさな表現に笑う人もいるかもしれないが、アイドルグループ「ZE:A」から“俳優”というタイトルをつかんだヒョンシクの努力と演技への情熱を振り返ると、この言葉が彼を代弁する表現として自然とうなずける。

ヒョンシク(ZE:A) の最新ニュースまとめ

 ヒョンシクは、韓国で先月放送終了したSBSドラマ「上流社会」で地位・名誉・財産の全てを兼ね備えた財閥御曹司ユ・チャンスを演じた。昨年放送されたKBSドラマ「家族なのにどうして ~ボクらの恋日記」では現実の壁にひざまずくフリーターのチャ・ダルボンとして青年の胸の痛みを描いたとすれば、今回は金のさじを持って生まれ、何不自由なく育ったデパートの本部長という対照的な人物だ。前作での明るく快活な姿は見られないほど全く違った顔を見せた。ヒョンシクは一層成長した演技で「赤ちゃん兵士」(=バラエティー番組「真の男」での愛称)のイメージを拭い去り、キャラクターを見事に生かしたという評価を受けた。

 実際、アイドル歌手が演技をすることに色眼鏡で見る人も多い。あるバラエティー番組でお笑い芸人がぎこちない演技を見せながら、「アイドルだから」と言って笑わせることもあった。俳優と適切な調和を図りながら自分だけの魅力を見せて初めて「演技ドル(=演技をするアイドル)として成長した」という評価が伴う。

 ヒョンシクはこのような現実を認めながらも、これは全面的にアイドル歌手の責任だと言った。「実際に僕は歌手として演技をする人だ。僕を含めた多くのアイドルが演技に挑戦することを良く見てくれる人、悪く見る人がいると思う。しかしこれはアイドルが感じなければならない責任感だ。良く思わない目を作るのも、それを変えるべき人も僕たちだ。チャンスをもらったら、そこでどれだけ上手くやれるかが課題だと思う」とアイドル出身の演技者に対する思いを語った。

 2010年に「ZE:A」でデビューしたヒョンシクは、翌年にはミュージカル「オオカミの誘惑」に出演し、早くから演技への関心を示していた。初めから配役の大きさに欲を出さず、ひたすら演技が好きで始めていたのだった。彼のフィルモグラフィーを見ると、ミュージカルとドラマを交代で出演しながら演技力を磨いていった。ドラマ「シリウス」、「ナイン~9回の時間旅行~」での少年役から、「相続者たち」や「家族なのにどうして ~ボクらの恋日記」での助演を経て存在感を高めていった。そして「上流社会」では内なる力を爆発させ、成長の可能性が高いことを証明して見せた。

 「僕が作ったものは一つもないと思います(笑)。ドラマの見栄えのためには全員が一緒にうまくやらなければならないと思っています。そうすればお互いのキャラクターが生きるんです。ソンジュン、ユイ(AFTERSCHOOL)、イム・ジヨンさんが、僕のセリフをうまく受け止めてくれたから息の合った演技ができた気がします。すごく感謝しています。息が合わなければ演技が生きないわけですが、みんなのおかげで僕のキャラクターがうまく生きたんです。」

 演技をする瞬間だけは、「ZE:A」のヒョンシクではなく、俳優パク・ヒョンシクだという点を立証した。母親役のチョン・ギョンスン、友人チェ・ジュンギ役のソンジュン、パートナーのチャン・ユナ役のユイ(AFTERSCHOOL)、恋人イ・ジイ役のイム・ジヨンと会うたびにそれぞれ違う姿で注目集めた。序盤では徹底した階級意識におぼれていた彼は、気さくなジイに会って、身分を捨てた人間的なキャラクターに進化したのだった。

 ヒョンシクは180度違う姿を見せるために血のにじむような努力をした。ドラマの撮影前から体力管理と発声及び発音を練習し、自分自身を消したのだ。演技の話をする時は、一層活気に満ちた声と表情で話した。

 「台本を初めて見た時、僕が本部長の役をスムーズに演じられるだろうかと、自分自身を疑いました。多くの方が『赤ちゃん兵士』や『チャ・ダルボン』のイメージが強くて29歳の若い本部長には見えないので、台本や本を読む練習を何か月間も続けました。そうしたら話し方に変化が出てきたんです。本当に一生懸命に努力をしました。」

 ヒョンシクはそう言いながら「友人たちが僕の演技は目を開けて見てられないと冷やかすんです。いつもふざけてる仲なので、僕が本部長だなんて鳥肌が立つようだと、見慣れない姿だったので違和感があったようです」と言いながらニッコリ笑った。

 ヒョンシクは現在、恋愛よりも仕事に対する気持ちの方が大きい。いい人に会えたら恋愛も考えているが、出会いのチャンスが多くないというのだ。「今は仕事の方が大事です。目標があるので、出会いは簡単ではないですね。チャンスがあれば恋愛をしたいけど、今は控えめにしたいです。いつか魅力のある女性に出会いたいですね。」

 ヒョンシクは、こんな俳優になりたいという大きな夢はない。演技が好きで始めて、楽しみながら様々な役柄に出会いたいという。次の作品では別名「クソ本部長」のユ・チャンスの姿を消すことが一つの目標だ。

 「僕はこんな俳優になりたいと考えたことがありません。多くの方が僕を愛してくださって、次の作品を期待してくだされば、それだけでもありがたいことじゃないですか。与えられた役割に最善を尽くして没頭するのが、僕の夢です。次の作品でユ・チャンスの姿をすっきり消し去ることが僕の目標ですね(笑)。」




SBS [上流社会] - ハイライト映像
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