「10CM」
「10CM」
「10CM(シプセンチ)」は、クォン・ジョンヨル(ボーカル・ジャンベ)とユン・チョルジョン(ギター・コーラス)によって2010年に韓国でデビュー。2011年MBCバラエティー番組「無限に挑戦」で話題に。同年にリリースしたシングル「アメリカーノ」がメジャー系音楽配信チャートで1位を独占する。2011年2月にはファーストアルバム「1.0」をリリース。音楽配信チャートにアルバムから複数の曲がトップ10入りを果たす快挙となりアルバムチャートでも1位に。韓国大衆音楽賞で最優秀ポップアルバム受賞。その後、2012年に1年ぶりにリリースしたセカンドアルバム「2.0」も、1位を獲得し2012年Mnet MUSIC AWARDでは同アルバムタイトル曲「Fine thank you and you?」がSONG OF YEARとなった。日本では2013年8月「SUMMER SONIC」に出演し、大橋トリオとコラボ配信曲を発表し、9月に「10CM」で日本デビューを果たした。11月には日本初の「10CM」公演「10CM Night~オヌルパネ Vol.1」を行い、チケットは即完売しプレミアムチケットとなった。

10cm の最新ニュースまとめ

 2回目となる今回は7月6日(日)シンガーソングライター矢野まきをゲストに迎え、東京・六本木SUPER DELUXEにて開催された。

 「観客の表情が見える小さなライブハウスから始めたい」という彼らの希望通り、アットホームな雰囲気で演出された会場は、小さな子供から年配の方まで幅広い年齢層と友人同士、カップルなど、たくさんのファンで埋め尽くされた。開演前にはステージにかけられモニターに楽屋の様子がリアルタイムで映し出され、「10CM」とバンドメンバーはツアーグッズを宣伝したり、アニメのキャラクターを描いたり和気あいあいとした姿を見せた。

 大きな拍手と歓声で迎えられた二人は、「マウム」を披露。どこまでも伸びるボーカル、クォン・ジョンヨルと心地よいギター音をならすユン・チョルジョンの「10CM」の世界へとファンを導き公演がスタート。1曲目が終わるとクォン・ジョンヨルが「『10CM』です。お会いできてうれしいです。冬に来てからずいぶん長い日が経ちもう夏ですね。僕たちは普段座って公演をするのですが、僕たちのリズムとかみなさんに見せてあげたいですし、立って公演しますね。ただ立って公演するからと言って踊ったりしませんからね」と会場を沸かし、2曲目の「ネムセ・ナン・ヨジャ(においのするおんな)」へ。「アナジョヨ」では、クォン・ジョンヨルの合図に合わせてファンが歌い、ユン・チョルジョンは「だきしめて」とコーラスを入れ会場が一体となった。「コジュチャムチャリ」はドラムのヨン様がどうしてもやりたいというので今日演奏することになったことを明かした。「歌詞には隠れたエロさがあるので、韓国人の友人が居れば、歌詞を見せて訳してもらってみてください。この曲も次に歌う曲も男女のコミュニケーションに関する曲ですが、次の曲は韓国でとても有名な曲をリメイクしました。『エサン』です」と曲紹介すると歓声が起き、リメイクされた「エサン」に肩を揺らし、口ずさむ韓国ファンの姿も見られた。

 1曲終わるごとにクォン・ジョンヨルの痛快な韓国語のトークが入り、会場を笑いで包み一瞬たりとも飽きさせない構成となった。「僕が舞台に立つと、うまく歌いたいと、一番気をつかって歌う曲で、僕がうまく歌う事でみなさんにお伝えすることができる曲を次に歌いたいと思います。最近韓国で公演すると、『10CM』がどうしてそうなったのかわからないですが、客席にカップルの姿が多くなってきたんです。僕は嫌なんだけど。だから、僕たちの曲で一番悲しい曲をプレゼントするんです」と笑いながら話し、「クゲアニゴ(そうじゃなくて)」を感情たっぷりに歌い上げた。曲が終わると、「ユン君、今日の気持ちを教えて?」とユン・チョルジョンに話をふり、ユン・チョルジョンが日本語で「暑いです」と一言だけ答えると、「それだけ?終わり?」というようなジェスチャーでまだまだ話を引き出そうとするクォン・ジョンヨル。ユン・チョルジョンは「たくさんの方に来ていただいて本当にありがとうございます。僕たちが準備したプレゼント買ってくださいね」とツアーグッズを指さすと、会場から大きな笑いが起きた。

 中盤に差しかかかり、ゲストの矢野まきがクォン・ジョンヨルの紹介で登場し、ファンからの声援で迎えられた。「初めまして、矢野まきです」とあいさつすると、「きれいですね」と目をみて伝え、「あなたもステキですよ」とお互いに褒め合い拍手を送り合い、歌が始まる前から息の合った姿を見せた。矢野まきの「太陽」と「10CM」の「チュッケンネ~死ぬほどいい」を二人の絶妙な声で聞かせた。最後に「言葉にできない」をクォン・ジョンヨルも日本語で歌い、二人の柔らかい声にファンは酔いしれた。

 矢野まきがステージを去るとまたまた「10CM」だけの世界へ。「サラウン・ウンハス・タバンエソ(恋は「銀河水茶房(ウンハスダバン)」で」「オヌルパメ」「アメリカーノ」と連続で披露され、ファンは全身でリズムを感じ、拍手をしたり首を振って「10CM」の音に浸った。続いては、ファンからのリクエストタイムが設けられ、リクエストされた曲を即興でワンフレーズずつ歌い、観客との距離が近いからこそ味わえる貴重な時間となった。最後のMCでは、「オヌルパネに来てくださってありがとうございました。前回のオヌルパネのライブでは100名規模の所で公演しましたが、今回は200名越えましたよね。公演をするたびに2倍になるということは、次回は400、800となりますよね。そうなると、僕たちの気持ちの準備はまだできてないんですが、東京ドームでやらないといけませんね(笑)昨日の夜数えてみたんですが、すぐだと思うんです。早く準備しないといけません。東京ドームじゃなくても、武道館!とにかくみなさんが次の公演来て下さるときに1人ずつ連れて来て下されば400人なので、お願いしますね(笑)」と話すと、会場は笑いと拍手と歓声で溢れた。最後に「オヌル・パムン・オドゥミ・ムソウォヨ(今夜は暗闇が怖いよ)」を歌い本編は終了。

 アンコールでは、日本滞在中に作られたという新曲が披露され、「インタビュー取材で日本に滞在してるときに、『さよなら…』で始まるように作ったんです。日本語をもっと勉強して、いつか日本語の歌詞を完成させて日本でも発売したいです」と語った。矢野まきを再びステージに呼び、「volcano」を一緒に歌い、アンコール最後には昨年発表された大橋トリオとのコラボ曲「Fine Thank You And You?」を披露し、全ステージを終えた。メンバーの姿が見えなくなっても会場には拍手が鳴り響いた。


 公演後には、囲み取材が行われ、取材陣からの質問に答えた。


<b>-本日のライブの感想は?</b>
クォン・ジョンヨル:今日の会場のコンセプトはあまり目立っては表せなかったかもしれませんが、女性のワンルームの部屋を表現しました。キャンドルや照明などで、僕が好きな雰囲気で、気楽にライブができてとても楽しかったです。韓国でもこのようなライブ会場があって、自分たちが家のように感じている所ですが、ここでそのまま再現できたような感じがして、とても気持ちよくライブをすることができました。

<b>-矢野まきさんとコラボの感想を聞かせてください。</b>
クォン・ジョンヨル:まず声がとても相性が良かったです。そんなに練習する時間がなかったのですが、違和感もなく自然に柔らかくコラボが出来たと思います。特に「言葉にできない」がすごく好きな曲なんですが、矢野さんが歌っているのを聞いてとても感動しました。
ユン・チョルジョン:矢野まきさんの声が気に入っていますので、次のアルバムとか何かでまたコラボできたらいいなと思います。

<b>-新しいアルバムはどんな風になりそうですか?</b>
クォン・ジョンヨル:韓国で発売した2番目の正規アルバムがみなさんが知らない10CMの内面を表現したアルバムなんですが、今回のアルバムは10CMが一番うまくて、10CMしかできないそんな、おもしろくて、セクシーですべての事が含まれたようなアルバムになると思います。
ユン・チョルジョン:今までのアルバムはスタジオで録音したとしたら、今回のアルバムは僕たちのスタジオを作って自分たちでプロデュースをしながらしたのでとても深い意味を持つアルバムになっています。

<b>-日本で気にいったものや、場所はありますか?</b>
クォン・ジョンヨル:浴衣を着ている方をみるのが好きです(笑)
ユン・チョルジョン:僕は一年に一回湯布院に行って温泉を楽しんでいます!

<b>-次のコラボするアーティストは考えていますか?</b>
クォン・ジョンヨル:とてもたくさんいます。「ELLEGARDEN」が好きなのでやってみたいですね。あと、アイドルもお会いしてみたいです。「Perfume」とか(笑)
ユン・チョルジョン:僕もです(笑)「Perfume」のファンです(笑)


 インタビューの後には、フォトセッションでカメラマンからのリクエストに応え、仲の良さを見せてくれた。次のアルバムが「10CM」、彼らにしかできないことで構成されて、おもしろさや、セクシーさなどすべての要素が入ったアルバムであるという事を語ってくれた彼ら。新曲の「クリウォラ」の日本語歌詞も完成させてまたすぐ日本に戻ってきてくれる日を期待して待ちたい。


10cm - アメリカーノ(아메리카노)
10cm - アメリカーノ(아메리카노)




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