CD業界の復興のため、不法コピーCD事業に邁進しているテギュ(イム・チャンジョン)の前に、突然、ある子供が現れる。
名前はチョン・イングォン、9才。唐突なこの子供は「あんたが僕の父親」と主張する。心当たりはあるものの、結婚もしてない一人身で、こんな子供を引きとってはたまらないと思ったテギュは、何とか子供を母親に返そうとする。

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しかし、すっぽんのようなこの子は離れようとしない。子供はテギュに、一緒に全国縦断の旅をしてくれたら帰ると提案し、テギュはこれに応じる。しかし、先に音を上げてしまったのは大人のテギュ。イングォンは全国縦断が終わったら願いが叶うと強く信じているが、テギュはイングォンの願いが何かも知らないまま、嫌々ながら旅を続ける。

偶然立ち寄ったある病院で、イングォンの秘密を知ったテギュは、やっと何かを悟り、押し寄せる心の痛みを感じる。

『ねぎトントン、卵パカッ』は、ヒューマニズムに訴えるコメディ。笑いよりも胸をキュンと締め付ける、涙の余韻が永く残る。

ある大人気ない大人が、顔も知らない息子と出逢って旅をしているうちに、父性愛と人間性を取り戻すという設定がすばらしい。幼稚で根無し草のように浮遊していた人生が、子供によって成熟していく過程は真摯であり、さらにいえば、ハッピーエンドでなく悲劇である。しかし、その結末は予想可能なものとしてストーリーは流れる。だから、映画自体からは緊張感が抜けてしまう。反転で、子供の母親の行方が明らかになる過程も常套的に見える。

監督は、テギュの成熟していく過程を、退屈に感じられるほどゆっくりと描いている。『偉大なる遺産』で成功したオ・サンフン監督の、自信がにじみ出る部分とも見れるが、もっとうまくまとめてたら、良いヒューマンドラマになったのに、と惜しい気がする。

老練なイム・チャンジョンは、今回も人間味溢れる演技で観客の期待に応えている。テギュの心理の変化が憎からず受け入れられるのは、イム・チャンジョンの力量。

『ねぎトントン、卵パカッ』は、ゆっくり父子としての関係を作り上げていく中で、2人がラーメンを作りながら歌った自作曲。いわゆる『ラーメンソング』なのだ。

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