女優チェ・ジウ
女優チェ・ジウ
「俳優なら誰しも、挑戦したいという欲があります。だから私もその中のひとつとしてパク・ポンニョ(ドラマ「怪しい家政婦」の主人公)を選択しました。始まったばかりのときは期待と共に不安や心配もありましたが、終わったときはそれだけ成就感も大きかったです」

チェ・ジウ の最新ニュースまとめ

 韓流スター、チェ・ジウ(38)は3日、先月26日に幕を下ろしたSBSの月火ドラマ「怪しい家政婦」(韓国版「家政婦のミタ」)について、「崩壊した家族に怪しい家政婦がやってきて、和合させるメッセンジャーの役割をした」と振り返った。チェ・ジウは2011年のMBCドラマ「負けたくない!」以降2年ぶりに出演した同ドラマで、疑問だらけの家政婦パク・ポンニョを演じ、傷ついた家庭をひとつひとつ解剖し、解決させていった。

 韓国ドラマ「怪しい家政婦」は2011年に日本で放送され40%を超える視聴率で大きな話題となった「家政婦のミタ」を原作にした作品。彼女の演技が多くの視聴者の好奇心を刺激した理由は、“涙の女王”“冬ソナのジウ姫”を脱ぎ捨て、常に同じ衣装に無表情を一貫していたためだ。「もどかしかったですよ。あるときは無表情の程度がすさまじく、怒った人のような感覚を受けたこともありました。“少しの差”なのに、難しかったです」。

 キャラクターの特性上、表情がないだけで、パク・ポンニョは生きて呼吸する人物だ。劇中、状況や歩幅に合わせて「無表情での感情演技」をこなさなければならなかったという。チェ・ジウは「演じるときは、口から発すせりふがないだけで、眼差しで話すというふうに考えていました。情けない目つきをするときは『本当に情けない』と心の中で語りながら演じました」と説明した。

 このようなキャラクターは以前に日本ドラマのリメイク作として放送されたKBS2TV「職業の神」(「ハケンの品格」のリメイク)やMBC「女王の教室」と似た側面がある。チェ・ジウもこの点を知らないはずがなかった。「制作発表会のときから、そのような話があり心配の声も大きかったです。『怪しい家政婦』は『職業の神』や『女王の教室』に比べて、後発走者という点でもキャラクターが重なって見られることもあったからです」。チェ・ジウは「しかし、毎回時間が経つごとに、そんな声は聞こえなくなりました」とし、「撮影に入る前、原作を最後まで見ましたが、それを念頭に置いて演じることはありませんでした。『家政婦のミタ』ではなく、『怪しい家政婦』のパク・ポンニョを私の方法で生かしたいと思いました」と力強く話した。

 劇中パク・ポンニョはパディングジャンパーに帽子を深くかぶるというファッションだった。華麗なイメージが似合うチェ・ジウにとって、これはまた違った挑戦となった。チェ・ジウは「帽子をかぶるときは、気を使うこともありました。照明や反射板がうまく入ってこないから」とし、「目の下が暗くなり、疲れて見えてしまうのです」と正直に吐露した。それでも「後半部分に行くと、帽子とエプロンがなかったら違和感を覚えました。エプロンをして髪を結わくと、緊張感が出てくるんです」と付け加えた。

 彼女の言葉を聞くと、ひょっとしたらこの作品を通して過去のイメージを脱ごうとしたのではないかと、気になった。チェ・ジウはしかし、「そうではない」と断固として否定し、「俳優にとって、イメージや修飾語はとても大切です。ただ、これに限定されるのではなく、違うものもできることが重要です」と答えた。

 「“韓流スター”や“ジウ姫”という称号が負担になると考えるのであれば、それは傲慢です。それで足をとられるのであれば、それは演技ができないからであって、韓流スターという枠のためではありません」。

 2003年のドラマ「冬のソナタ」が日本で韓流に火を灯してから10年が過ぎた。1994年MBC公採タレントとしてデビューしたチェ・ジウは19年という歳月が流れ、来年は韓国の年齢(数え年)で四十を迎える。「はじめは、『冬のソナタ』から10年も経ったことに驚きました。そして次に、10年もの間、人気が続いていることに驚きました。『冬のソナタ』を好きでいてくださる日本の方たちが、私と共に時を過ごしてくださるのがとても不思議です。私は幸せ者です」。

 チェ・ジウはまた、「私の演技力は生まれ持ったものではありません。努力をしなければならない女優です。その点は昔も今も同じです。作品ごとにベストを尽くし、その役柄に没頭しなければと思っています」と謙遜した。

 しかし、最近、日韓の政治的な緊張により、韓流にも危機論があることは事実。“ジウ姫”はこれをどのように見ているのだろうか。「ドラマが停滞しているのであれば、その席をK-POPが守っていると考えます。最近のアイドルたちは演技も歌も上手です」とし、続けて「10年前に比べて、すべての点で発展していますが、ドラマ撮影の環境は変化できていません。むしろ俳優やスタッフはよりつらい思いもしています。これから質の良いドラマが増えればいいですね」と自身の思いを明かした。

 「韓流俳優には評価が薄情なのが事実です。海外市場だけを狙っているという先入観で見るからです。しかし、韓国国内で認められたいという気持ちはいつも大きいです。もちろん、国内で人気のあった作品が海外でも愛されれば、それはよりうれしいことですね」。



SBS「怪しい家政婦」 - ハイライト映像
SBS「怪しい家政婦」 - ハイライト映像




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