エリック・ナム
エリック・ナム
韓国では、オーディション番組の人気が続いており、ブラウン管には番組への応募者たちが絶え間なく登場する。

エリック・ナム の最新ニュースまとめ

 ずば抜けた歌唱力はもちろん、誰もがうらやましく思うような学歴、職歴の持ち主、またルックスの良さまで兼ね備えた人材が歌手を夢みてオーディションに登場しているのだ。

 MBC「スターオーディション 偉大な誕生」シーズン2の出演者であるエリック・ナムもやはりそのような人材の一人だ。

 米国ボストンカレッジで国際関係学を専攻していた彼は、卒業後に世界的な経営コンサルティング会社デロイトに入社。そこでコンサルタントとして働く中、歌手の夢を捨て切れずに韓国へと渡った。

 「偉大な誕生」の米国予選当時、たった3秒で審査員イ・スンファンのハートを掴み「3秒男子」というニックネームまでもらった。エリック・ナムは本戦でTOP5に入りその可能性が認められ、番組終演後にイ・ヒョリの所属事務所と契約を結んだ。そして、夢への第一歩を踏み出したのだった。

 来る23日、デビューアルバム「Cloud 9(クラウドナイン)」を発表するエリック・ナム。昨年7月の「偉大な誕生」出演当時、同僚らと共にデジタルシングル「済州島の青い夜」を発表したことはあるが、ソロ歌手としては初のアルバムとなる。

 先ごろ、インタビューに応じたエリック・ナムは「”Cloud 10”が天国だとしたら、”Cloud 9”は天国へのドアを開く段階。つまり、幸せの絶頂を意味しています」とし、「僕にとっては、いまがまさに”Cloud 9”なんです」と笑顔を見せた。

 「想像もしていなかったことが起きようとしているので、震えるように緊張し、そしてわくわくしています。新しい恋をスタートするときと似ている感覚かな(笑)。僕の前にあったいくつかの道の中で、歌手という道を選んだとき少し不安を感じていましたが、いまではうれしさと胸が高鳴るような気持ちが不安に勝っています」

 彼は、「『偉大な誕生』の際にコメンテーターを務めていたイ・スンファン先輩が『もう君はアマチュアではない。プロとしてデビューしたのだから努力を惜しんではいけない』と何度も話してくれました」とし、「アルバムも発表することになったので、さらに練習してステージで完ぺきな姿を見せたいです」と覚悟を新たにした。

 「Cloud 9」にはタイトル曲「Heaven's Door」をはじめ全5曲が収めれた。有名作曲チーム「スイートチューン」の作品である「Heaven's Door」は、軽やかなアコースティックポップ。新しい恋をスタートさせる男性のストーリーを天国に向かう旅に置き換えて表現した曲だ。

 エリック・ナムは「恋愛の歌ではありますが、いまの僕を最もよく表現した曲」と笑った。また「消して生きる」は、別れの悲しみを歌った叙情的なバラード。彼は「『偉大な誕生』で歌った『泣く』という曲と感情的な部分が似ていて、聴いてすぐに胸に突き刺さりました」とし、「タイトル曲に使いたかった曲でもあります」と紹介した。

 今回のアルバムを通してエリック・ナムは、希望を伝えたいと話す。

 「2013年を迎え、僕のように新たなスタートを切ろうとしている人に少しでも勇気を与え、そして希望になればうれしいです。進もうとしている道は正しいのか、方向はちゃんと掴めているのか、悩むときに僕の曲で元気になってくれれば、これ以上の願いはありません」

 彼は「デビューアルバムであるため、どのようにしたら自分だけの音色を出すことができるのか、かなり悩みましたが、それは作曲家の方々が完ぺきに解決してくれました」と話し、満足げに笑った。

 米国で生まれ育ったエリック・ナムは、音楽を愛する両親の影響で3~4歳の頃から韓国音楽を楽しんで歌っていたという。

 「父が歌を教えてくれました。そして、家族旅行に行くといつも『ちょっと歌ってごらん』と言って、僕によく歌わせていました。その過程で、自然と歌手を夢みるようになったんです。中学生の頃、韓国人が経営するビデオショップで『人気歌謡』や『ミュージックバンク』、『音楽中心』などの録画テープをレンタルして家でずっと観賞していました』と昔を振り返った。

 しかし、両親は学業で優秀な成績を修めていた息子がまさか歌手を夢みているとは知らず、また本人も「勉強が嫌いなわけではない」と学業に専念していた。代わりに、Youtube(ユーチューブ)に自作曲やカバー曲の映像をアップするなどして楽しんでいたという。

 「『偉大な誕生』に応募したときは、コンサルタントとして働いていました。翌日、インド出張に行かなければならないというタイミングで、以前Youtubeに掲載した動画を再編集して応募しました。『まさか』という気持ちでいたのに、うそのように連絡がきたんです」

 「偉大な誕生」に出演する中で、最も大変だったのは”文化の違い”だったという。

 エリック・ナムは「生きてきた中で一度も『癖がない』という言葉を聞いたことがなかったのですが、『偉大な誕生』に出演しながらこの言葉を聞いてショックを受けました。文化の違いというのは大きいのだな、と。加えて、僕は韓国語が完ぺきではないので、誤解を解くのも難しかったです」とし「何年かぶりに涙が止まらないくらい泣きました」とつらかった過去を振り返った。

 「でも、後悔はしていません。『偉大な誕生』は人生のターニングポイントになりました。たくさんの方々が僕の声、音楽を好きだと言ってくださり、初めて『僕も歌手になれるんだ』と思えました。僕の歌を聴いて泣いた、というファンの方に会うと、音楽がもつパワーは大きいということを実感します」

 彼に今後の目標を聞くと、このような答えが返ってきた。

 「僕の声には、悲しい曲が合っていると思います。聴けば涙が出てくる曲でありながら、慰めにもなるような曲。そんな歌をお聴かせしたいです。曲を作る練習にも励んでいるので、自作曲もいつか発表してみたいです。今回のアルバムを通して、オーディション番組でのイメージからは脱皮し、”歌が上手な歌手”として認められることが目標です」

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