バンド「10cm」
バンド「10cm」
「『10cm』史上最大規模の公演ですが、観客との距離は”最短”になるでしょう。最初から最後まで観客と共にする公演にしたいです。ある意味、”来韓公演スタイル”といえますね(笑)」

10cm の最新ニュースまとめ

 軽快なアコースティックサウンド、19禁表現もはばからない直接的な貸しで人気を博しているバンド「10cm」が成し遂げる。

 大人気のアイドルグループも達成は難しいと言われる1万席(最大1万2千席)規模のオリンピック公園体操競技場で来月23日、単独公演を行うことになった。インディーズバンドとしては初の挑戦だ。

 先ごろ、インタビューに応じた「10cm」は「夢のステージで公演を行うことができるだけでも意味深いと思っています」とし、「プレッシャーを感じずに楽しみたいです。サイズが大きくなったからといって、何も変わることはないですから」と話し笑った。

 「たくさんのものを見せなければならない、という欲は捨てました。周囲も『10cm』らしくないことはするな、と言います。体操競技場で行う公演を見たら、あれこれ準備が多いようですが、僕たちは飛んだり、クレーンに乗って動いたりと派手なことはしません。徹底的に歌い、それに合う映像を流すくらいかな」(クォン・ジョンヨル)

 しかし、”突出舞台”サービスまで諦めることはなかった。

 クォン・ジョンヨルは「ステージが公演会場の中央まで伸びるT字型の突出舞台を設置する予定」とし、「頻繁に観客の元へ近づいていくので期待してほしい」と笑顔を見せた。

 「10cm」は、インディーズ音楽界の”スター”だ。2010年にミニアルバム「10cm The First EP」でデビューした彼らは、同年に発表したシングル「アメリカーノ」でスターダムにのし上がった。

 翌年に発表した1stアルバム「1.0」では3万枚の売り上げを記録し、アコースティックブームを巻き起こした。この頃でいえば”インディーズのアイドル”だったのだ。

 だからといって、国内最大の室内公演会場である体操競技場で公演を行うことは容易なことではない。

 メンバーらは「初めてオファーをもらったときは『僕たちが何の体操をするの?』と笑ってごまかしてしまった」と話す。

 「昨年秋、2ndアルバムを発表したとき、音盤流通会社から体操競技場で公演してみよう、と言われました。『僕たちが何の体操をするの?』と笑いましたが、家に帰ると2人共緊張して眠れませんでした。何日か過ぎて再びオファーをもらい『よし、一度やってみようか』と申請書を作成したのですが、この申請があっという間に通ってしまって…。大変なことになったぞ、と思いました」(ユン・チョルジョン)

 クォン・ジョンヨルは「夢が現実に近づき、決め手となりました」とし、「その後、公演企画会社やライブバンドのメンバーたちと何度も会議を重ねました。いつも気楽に、そして自由に歌ってきた僕たちが公演ひとつのためにこんなに何度も会議をするのは今回が初めて」と笑った。

 「準備はたくさんしてきたので、いまは細かい調整だけが残っています。最近は練習に没頭しています。僕たち2人を含む8人のバンドがステージ立つ予定です」(ユン・チョルジョン)

 「10cm」が今回の公演で最も慎重になっている部分は「観客との疎通」。2010年のデビュー後、大小の公演を何度も行ってきたが、意外にも観客と共にするようなイベントはなかったという。

 「僕たちの音楽を聞かせるということに重点置いてきました。公演中に話すときもトークをするというよりは、一方的にギャグを伝えるのに必死でした(笑)。それで、今回は観客とひとつになれるような公演をしてみようと考えました。歌も一緒に口ずさみ、対話もする予定ですよ」(クォン・ジョンヨル)

 ”ダンスタイム”も用意しているのか尋ねるとクォン・ジョンヨルは「僕たちは、これまでも公演で絶えず踊ってきました」とジョークを飛ばした。

 「ダンサーを動員しての踊りはありませんが、僕たちらしいダンスをお見せします。歌に合わせたアドリブダンスもありますし。ステージが大きいので、動作もより激しくなるのではないでしょうか(笑)」(クォン・ジョンヨル)

 今回の公演で「10cm」は約20曲のヒット曲を披露する予定だ。初ミニアルバムから1st、2ndアルバム、そして来月発表する2枚目のミニアルバムまで網羅する構成だという。2枚目のミニアルバムは、今回の公演のためにカスタムし、制作したようだ。

 「公演に必ず必要な役割を果たす曲が、2~3曲足りなかったんです。それで、アルバムを1枚作ってみました(笑)。公演用にたった1曲のシングルを発表してもつまらないし、意味もないような気がしたので、ミニアルバムとして制作しました。2ndアルバムを出したときにカラーが合わず外した曲と新たに作った曲など5曲を収録する計画です」(ユン・チョルジョン)

 高校時代の先輩後輩である2人は、スクールバンドとして活躍した時代から現在まで10年以上も共に歩んだ家族のような存在だ。

 気軽なアコースティックサウンドで人気の2人は、実はヘビメタファンであるという。そこで「ヘビメタアルバムを1枚出してみては?」との言葉に「僕たちの素質はアコースティック側なんですよ」と言って笑った。

 「ロックは思ったようにうまくいかないようです。心はロックのように爆発しているんですけどね(笑)。今度、趣味として一度やってみようかな」(クォン・ジョンヨル)

 「10cm」の目標は、いつも進化し続けるチームとして人々に記憶されることだという。

 「どんなジャンルの音楽で活動していた、またはどんな雰囲気の音楽を聞かせていたかで記憶されたくはありません。さまざまな活動をしながら、いつも少しずつ進化していくチームとして記憶に残りたいです。アルバムそれぞれに心を込めていますが、特定のジャンルに固執するようなことはありません。いまのように楽しく、やりたい音楽を続けていくことが僕たちの目標です」

 0