女優キム・ギュリ
女優キム・ギュリ
8月18日(土)より日本全国ロードショーとなる韓国映画「プンサンケ」(2011年6月韓国公開)。同作は、38度線を飛び越えてソウルと平壌(ピョンヤン)を行き来し、3時間以内に何でも配達する“プンサンケ”と呼ばれる正体不明の男が主人公。運ぶのは、離散家族の最後の手紙やビデオメッセージ。ある時、韓国に亡命した北朝鮮元高官の恋人イノクをソウルに連れてくるという依頼が舞い込み、いつものように北朝鮮に潜入したプンサンケは、無言のままイノクを連れ出し38度線へ。2人は何度も命の危険にさらされるうち、互いに言い知れぬ感情を抱いていく。

キム・ギュリ(キム・ミンソン) の最新ニュースまとめ

 同作で北朝鮮の女性イノクを好演したのが女優キム・ギュリ。韓国ドラマ「ガラスの靴」(2002)で頭角を現し、映画へ活躍の場を広げる。2008年の韓国映画「美人図」では大胆な熱演に注目が集まり、以後、トップ女優として活躍している。そんな彼女のオフィシャルインタビューが届いた。

<b>-撮影は難行苦行の連続だったと思うが、最もつらかったシーンは。</b>
撮影は寒さとの戦いでした。韓国が最も寒い時期に撮影したのですが、撮影現場は風を防いでくれるものが何もない場所で、しかも明け方の撮影が多かったので、2時間もすると骨の髄まで凍えるほどでした。そんな中、裸で水の中に入り、全身を濡らして息が目立たないよう口に氷を入れて撮影しなければならず、春のワンピースを着て、わたしはこの世で一番の寒さと戦ったんです。また、追加撮影で4メートルのプールに入ったのですが、撮影を終えてシャワーを浴びると両足のツメが1枚ずつ抜け落ちました。撮影中、心は満たされて楽しかったのですが、肉体は限界を感じていたようです。

<b>-ノーギャランティで出演を許諾した最大の理由。</b>
まず、わたしは全ての面で作品のクオリティが優先すると考えています。シナリオが素晴らしく、全ての俳優とスタッフが良い映画を作ろうという一念で集まったため、参加すること自体に意義があり、また純粋に面白いと思って選びました。出演を決めた後で、現実的に考えて呆然としました。テレビドラマの撮影後、「プンサンケ」の撮影までたった2日しか準備の時間がありませんでした。実際すると言ったものの、時間がさし迫りお先真っ暗でした。北朝鮮のなまりを習得するために2日しかありませんでしたから。

<b>-演じたイノクは北朝鮮の女性だが、韓国語との発音はどのように違うのか。</b>
以前に北朝鮮の女性役で出演する話を断ったことが3回ありました。韓国語とは全く異なる抑揚と発音で、とても難しいですからね。今回、準備期間が2日間しかなく、独学で北朝鮮の発音を勉強しました。それが本番になってびっくりです。これなら前にいただいた役もやっておけばよかったと思うほどの出来栄えでした。

<b>-ユン・ゲサンとのキスシーンについて。</b>
感情的にクライマックスに上りつめるべき場面でした。初ショットでユン・ゲサンさんがわたしの上に覆いかぶさりましたが、哀切さがありませんでした。どうすればいいのかあれこれ想像し、イノクがいかなる状況においても、北朝鮮軍に足蹴にされても銃声が鳴ってもプンサンケの元に駆け寄ることにしました。わたしがユン・ゲサンさんに言いました。「じっとしていて。わたしが行きますから」と。互いの感情を劇的に確認することになる場面ですが、感じるままに演じて、激情的で悲しくもありながら美しいシーンとなり、一回でOKが出ました。

<b>-自身にとってキム・ギドク監督やチョン・ジェホン監督はどのような存在。</b>
キム・ギドク監督の天才性。チョン・ジェホン監督の純粋な映画に対する熱情。こんなにスマートで本物を作ることのできる人々と仕事ができて光栄でした。この方々がわたしを呼んでくださったら、いつでも駆けつけます。

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