<Wコラム>韓国のスポーツ界・天才の系譜、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:OSEN)
<Wコラム>韓国のスポーツ界・天才の系譜、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:OSEN)
日本の皆さんが、韓国のオリンピック選手で一番記憶に残っている人は誰でしょうか。たぶん浅田真央選手のライバル、キム・ヨナ選手でしょう。バンクーバー冬季オリンピックで金メダルを獲得したのは記憶に新しいのではないでしょうか。

キム・ヨナ の最新ニュースまとめ

 浅田選手が高得点を獲得した後の演技で、その得点を上回る滑りをしたのですからその精神力はたいしたものでした。

 一方、水泳のパク・テファン選手は余程の通でない限り知らないと思うのですが、韓国では英雄です。ルックスがいいだけでなく、不毛の韓国水泳界においてはじめてのオリンピックメダル、それも金メダルですから韓国国民が熱狂しないわけがありません。

 北京オリンピック自由型四百メートルで金、二百メートルで銀を獲得する快挙をあげました。仁川アジア大会の水泳会場は、彼の名前を冠した競技場ですから韓国でのそのすごさがわかります。

 それまでの韓国の水泳界において、アジア大会の金メダリストはいましたが、オリンピックでは世界の壁に跳ね返され表彰台に立つことはできませんでした。

 フィギュアスケートにおいてもキム・ヨナ選手以前は、世界の舞台で活躍した選手はいなかったのですから、彼女の活躍は「突然変異」といっても過言ではありません。日本のように浅田選手がだめなら、鈴木選手、◯◯選手とその層が厚いばかりか、浅田選手の前には荒川静香選手が金メダルを獲得しています。韓国ではキム・ヨナ選手以前にも以後にもこれといった選手がいません。

 水泳のパク・テファン選手しかり女子フィギュアスケートのキム・ヨナ選手しかり不毛の分野に突如現れ世界を制したのですから、日本では考えられないことです。

 このほかにも、アメリカの野球で活躍したパク・チャンホ投手も、その競技人口を考えたら奇跡に近いものがあります。韓国で野球部のある高校は、日本の六十分の一に過ぎませんが、WBCで世界相手に善戦するのですからたいしたものです。

 韓国野球の今日の発展は日本に負うところが多く、六十年代に張本選手等日本で活躍した在日韓国人チームがソウルに遠征したときには、韓国チームは一勝もできなかったほど水準が低かったのですが、日本の実業団やプロで活躍した在日選手が韓国の野球チームに所属してレベルが上がりました。

 ゴルフでも韓国女性の活躍は目覚しく、特にパク・セリ選手はメジャー大会の優勝はもちろんアメリカ女子プロゴルフツアーの賞金女王に輝き、その強さは日本でもおなじみです。一九九八年の全米女子オープンに二十歳九か月で優勝し、IMF経済危機で落ち込んでいた韓国国民に勇気を与え、今日の女子プロ選手の活躍に繋がりました。このとき子どもだったシン・ジエ選手、アン・ソンジュ選手らが現在日本のゴルフ界を賑わしています。韓国では彼女たちをパク・セリキッズと呼ぶようになりました。

 ではなぜ韓国のスポーツ選手は、その競技の裾野が狭いのに世界で活躍できるのでしょうか。(続く)


文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)

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