今、K-POPに関心を持つ人で「TWICE」(トワイス)の名を知らない人はいないだろう。
今、K-POPに関心を持つ人で「TWICE」(トワイス)の名を知らない人はいないだろう。
今、K-POPに関心を持つ人で「TWICE」(トワイス)の名を知らない人はいないだろう。
昨年5月、「SIXTEEN」というオーディション番組で、芸能人を夢見て「練習生」として生活していた16名の少女が競い合いを始めた。2か月の間、毎週の熾烈な競争の末、選ばれた9名の少女たち。数か月後、彼女たちは「TWICE」という名前で芸能界デビューを果たす。

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 デビュー2か月で年末の授賞式で「新人賞」を受賞、それからこの1年間、音楽ランキング番組で1位だけでも20回以上を記録した。オンラインの音楽販売が一般的になっている韓国では珍しく、CDの販売記録も更新した。

 韓国国内だけではなく、海外での人気も記録として残った。グローバルな人気の尺度となっている「YouTube再生数」が1億を超える楽曲が既に2曲。この1年間、数々のK-POP界の記録を塗り替えてきている。
いまや、あの「少女時代」や「KARA」や「2NE1」に続き、K-POP界を代表するガールズグループとなっているのだ。

 しかし、何が「TWICE」を「TWICE」にしたのか?気になっていたところ、韓国文化産業交流財団(KOFICE)の配慮で「TWICE」の番組収録の現場に立ち会うことが出来た。英語専門チャンネル「ARIRANG TV」の有名番組「AFTER SCHOOL CLUB」収録。その詳細はまたの機会で紹介したいが、2時間ほどの立会いの後、「TWICE」を「TWICE」にした要因が分かった気がした。連日の活動で随分疲れているはずなのに、収録途中はもちろん、収録の前と後にスタッフや出演陣一人ひとりに丁寧な挨拶と誠意を忘れない。まだ高校生の身分である3人からも「プロ精神」が感じられた。

 番組の収録途中、インターネットを通じたテレビ電話で世界のファンと話し合う「TWICE」の姿は、若いK-POPの未来、そのものだった。最初の疑問に戻ろう。何が「TWICE」を「TWICE」にしたのか?

 まず「熾烈は競争」が上げられる。オーディション番組が日本の芸能界の「お家芸」だった時代が過ぎ、その影響は「学歴社会」の延長線とも言われている韓国芸能界に伝わった。地上波との熾烈な競争を勝ち抜くためにケーブル放送局「Mnet」やその運営会社「CJ E&M」社は「オーディション番組」を企画し、高視聴率を奪い取る。

 逆に地上波の放送局がそれを真似る「奇現象」も起きた。例えば、日本で「チャングムの誓い」や「トンイ」、「イ・サン」、「馬医」などのドラマで有名な地上波放送局の「MBC」社は「偉大なる誕生」などのオーディション番組を立ち上げた。韓国では当たり前の対応と思われていた。

 その流れの中で「TWICE」を生んだオーディション番組「SIXTEEN」が生まれたのだ。当然、有名芸能プロダクションの「練習生」になるために競争を勝ち抜いた彼女らは、同じ立場の練習生との更なる競争に勝ち抜くために涙を流す。副作用が無い訳ではないが、幼い時から「練習生」として学業を並行する「芸能業の卵」は、「匠」を育てるドイツの制度を思わせる。

 もう一つの要因は「遺伝子の交換」である。世界進出を目標とするK-POP界だからこそ、グループに外国出身のメンバーがいることは珍しくなくなった。しかし、「TWICE」はさらに違う。9人のメンバーの中、何と半分に近い4人が外国出身だ。日本出身のメンバーが3人、台湾出身のメンバーが1人選ばれた。
 有名ボイズグループ「EXO」が12名のメンバーの中、3分の1が中国人メンバーだったのに、文化の違いを克服できず、3人の中国人メンバーが脱退した後のことだった。「TWICE」の所属会社としては、大きな決断を強いられていた訳だ。

 外国人メンバーを必要とした理由は単純に「日本や中華圏で活動しやすいから」だけではない。そこにはもっと深い理由がある。
 生態系でも同じだが、「遺伝子の交換」はその集団の遺伝的な多様性を豊かにさせ、色々な環境に対応できるようにする。恐竜の滅亡や哺乳類の繁盛を例にするまでもない。人類の歴史だけでもローマ帝国や唐帝国やモンゴル帝国の繁盛と滅亡がそれを物語る。20世紀のアメリカの大躍進で、近代でも検証されている事実である。

 「TWICE」の大躍進の中には、海外出身の4人のメンバーやの役割も大きい。韓国の文化遺伝子としては生まれ難かった珍しい要素が外国出身メンバーから発見され、韓国の大衆が熱狂したことは間違いない。

 いずれ「TWICE」が日本で活躍するようになる時、日本人メンバーは更に大きな力となるはずだ。「熾烈な競争」と「遺伝子交換」、国際化の観点では低迷する日本の芸能界に、いや、日本の社会に「TWICE」は大きなヒントを与えているかも知れない。

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