キム・ユンソク=3日、ソウル(聯合ニュース)
キム・ユンソク=3日、ソウル(聯合ニュース)
韓国俳優キム・ユンソクが知名度を上げるきっかけになった作品は映画『タチャ イカサマ師』だった。登場するのは最後の約20分ほどだが、チョ・スンウ演じる主人公との息も詰まるような対決シーンで深い印象を残した。次いで『ザ・チェイサー/追撃者』で強烈なカリスマ性を今一度見せつけた。ところが、新作ではカリスマ性とは無縁の田舎の刑事に変身する。

韓国映画「タチャ イカサマ師」のキャスト、公開日、あらすじ

 イ・ヨンウ監督の映画『亀走る』でのキム・ユンソクは、脱走犯に金を奪われた上に殴られ、妻のへそくりを持ち出して失っては言い訳もできないままたたかれる。しかし彼は「『イカサマ師』では個性の強い脇役の一人として登場したという反応だった。『ザ・チェイサー』では映画全体の責任を負うという荷が重いことを知った。今度のキム・ユンソクのコメディーはどんなものか、見て楽しんでくださればそれ以上望むことはない」と語る。

 封切りを控える3日に会ったキム・ユンソクは楽しそうに見えた。”ハイ・コメディー”のこの作品が成功するか心配だったが、マスコミ向け試写会とVIP試写会を終え、心配と負担を振り払ったようだ。パク・チャヌク監督は親指を立ててくれ、ほかの人も彼の心配は大げさだったと言ってくれたという。

 もともと、映画『楽しい人生』や今回の『亀走る』のようなドラマを好む。小市民を演じるのが好きだ。「気楽そうに見せるのがもっと大変だ。カリスマという言葉も好きではないが、むしろカリスマという道具でスクリーンを圧倒するほうがまだ楽だ」と語る。
『ザ・チェイサー』で主演男優賞を受賞した際、感情の温度がやけどしそうなほどの熱さから0.5秒の間に冷気に変わるという経験をしたと話したが、今回はぬるい温度を維持しながら繊細な変化をつけなければならなかった。どうかすると退屈になりやすいため、より細かいディテールに気を配ったという。また、映画が成功したとすれば、それは自分だけではなく、適材適所で抑えた演技を見せてくれた後輩や友人の功が大きいとした。

 『イカサマ師』と『ザ・チェイサー』の後、彼のもとには多くのシナリオが舞い込んだが、その中から選んだのは前作と同じ刑事という職業の『亀走る』だった。その理由を、監督がシナリオも書いて演出するほうがやる気をそそられるからと説明した。シナリオの文字には現れないたっぷり隠されたビハインドストーリーを取り出せるのは、書いた人こそだと考える。この作品がドラマを壊さないコメディー、状況が生み出したコメディーを追求するという点で、イ監督と見解が一致した。会うなり舞台となる忠清南道・礼山に一緒に行き、ひと回りしながらあれこれ話を交わしたという。
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