<W解説>サムスン電子、営業益96%減の衝撃=半導体不況が鮮明に(画像提供:wowkorea)
<W解説>サムスン電子、営業益96%減の衝撃=半導体不況が鮮明に(画像提供:wowkorea)
韓国の「サムスン電子」が今月7日に発表した今年1~3月期の連結決算(速報値)は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比95.8%減の6000億ウォン(約600億円)だった。世界的な景気減速に伴い、主力である半導体市況が悪化したことが響いた。同社の四半期の営業利益が1兆ウォン(約1000億円)を下回るのは2009年1~3月期以来、14年ぶり。売上高は前年同期比19%減の63兆ウォン(約6兆円)だった。韓国紙の朝鮮日報は「韓国を代表する企業がリーマンショック当時と同じレベルの衝撃に直面している」とサムスン電子の「業績ショック」を危機感を持って伝えた。

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収益急減の主因は半導体の不振にある。SK証券の部門業績推計(3月30日時点)によると、半導体部門の営業損益は4兆7000億ウォン(約4700憶円、前年同期は8兆4500億ウォンの黒字)と14年ぶりの赤字だった。売上高も49%減の13兆8000億ウォン(約1兆3850憶円)に落ち込んだ。サムスン電子は「メモリー半導体とシステム半導体のいずれも需要の減少、取引先の在庫調整、景気不振などが影響した」と説明している。同社は半導体メモリーでは4割弱のシェアを持つ。日本経済新聞は「新型コロナウイルスの流行でパソコンやタブレット端末、ゲーム機の特需がなくなり、米IT大手のデータセンターも縮小。半導体供給網(サプライチェーン)の各所でメモリー在庫が積み上がったことで販売価格が急落した」と解説した。

サムスン電子と競合するSKハイニックスも今月下旬に決算発表を控えているが、韓国紙の朝鮮日報によると、ある市場関係者は、4兆ウォン(約4000億円)前後の損失を予想している。同紙は「韓国で製造業全体の10%、輸出の20%を占める半導体の1位と2位のメーカーがここ10年以上経験したことのなかった危機に直面しているのだ」と解説した。

その上で同紙は「巨額の赤字を出した韓国の半導体業界は、米中の技術開発競争のど真ん中で地政学的なリスクにも直面している」と指摘。「米国による中国抑え込み政策が終わらない限り、韓国半導体メーカーの中長期的な『中国リスク』は今後も避けられないだろう」と予測した。

サムスン電子は、決算の発表と併せて「意味のある水準までメモリーの生産量を下方修正中」と明らかにした。これまでメモリー価格の急落にも関わらず、無減産基調を貫いてきたサムスン電子が減産計画(生産量の下方修正)を発表したのは今回が初めてのことだ。ただ、減産規模と時期は示さなかった。

メモリー業界は昨年末から本格的な減産に取り組んでいる。SKハイニックスのほか、マイクロン、キオクシアなどは設備投資の縮小にも既に着手している。そんな中、サムスン電子は設備采配と微細工程の転換などを通じて20%の「自然減産」のみ実施。だが、今回、主力の半導体部門だけで3兆ウォン以上の四半期赤字を出したことから、減産に踏み切らざるを得なくなった。

NH投資証券のト・ヒョヌ研究員は、韓国紙のハンギョレ新聞の取材に「サムスン電子が現在保有しているDRAM(半導体メモリ)の在庫水準がライバル社より高い。このような状況を打開するため、減産水準を拡大したものとみられる」と分析した。

市場は減産の発表を歓迎。サムスン電子の株価はこの発表があった7日、前取引日に比べて4.3%高の6万5000ウォン(約6500円)の終値を記録した。サムスン電子が減産の方針を示し、メモリー半導体の価格の下落にブレーキがかかり、持ち直す時期が繰り上げられるとの期待感によるものだ。これまで、スマートフォンの需要鈍化などで半導体在庫が積み上がり、価格の押し下げ圧力が続いてきた。ダオル投資証券のキム・ヤンジェ研究員はハンギョレ新聞の取材に「IT製品需要が著しく増えるのは期待できない局面なので、メモリー業況は緩やかに改善されるだろう」と予測した。

一方、サムスン電子は半導体に次ぐ収益の柱であるスマートフォン部門は売上高・営業利益ともに前年同期並みの水準を維持した。今年2月に販売を開始したギャラクシーS23シリーズが欧州やインド、中東など世界の主要な市場で前作を大きく上回る販売実績をあげ、韓国国内でもこのほど販売台数が100万台を突破した。スマホ部門の好調が半導体部門の不振を一部挽回した形となった。

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