がん治療中でありながら、ステージでは誰よりも明るい姿を見せてくれた「ULALA SESSION」のリーダー、イム・ユンテクが2013年2月11日午後8時40分、この世を去った。

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 この世で最も愛する妻と娘、彼が大切にする「ULALA SESSION」のメンバーたち、そして愛していたステージを残し、イム・ユンテクが32歳という若さで死去した。

 2011年、オーディション番組「スーパースターK3」を通してすい星のごとく現れた「ULALA SESSION」。プロに劣らないレベルの高い歌とパフォーマンスで注目された。オーディション途中に明かされたイム・ユンテクの胃がん闘病の事実。当時、既に末期であったが、明るくエネルギッシュな姿でステージを飛び回った。

 優勝後の昨年5月にミニアルバムを発表し、6月には音盤公演企画会社も設立、下半期には初の全国ツアーを開くなど情熱的に活動した。7月には自伝エッセイ集を出版し、自身の経験を通して挫折する若者たちに夢と希望を失わないよう呼びかけた。そして8月、傍で闘病を見守り続けたイ・ヘリム氏と結婚し、話題に。その2か月後には、奇跡のように娘をもうけ、彼のニックネーム「リトル団長」から「リダン」と名付けられた。

 このように病に屈せず、幸せをすべてつかんだようだったが、彼の健康は悪化し続けていた。番組に出演した彼は顔色も悪く、公演にも欠席することが多くなった。

 周囲にがんであるということさえも忘れさせるほど、誰よりも一生懸命だったイム・ユンテク。2月8日深夜に容体が急変し入院した後、目覚めることは叶わなかった。しかし、夢はいまも“現在進行形”だと語っていた彼のエネルギーを多くの人が記憶していくことだろう。