閣議で発言する尹大統領=21日、ソウル(聯合ニュース)
閣議で発言する尹大統領=21日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は21日の閣議で、国民に政策を説明し、理解を求めていく「政策マーケティング」の重要性を強調した。繁忙期に労働時間を増やせるよう制度を見直す案が世論の厳しい批判を浴びていることを踏まえたものとみられる。閣議出席者が22日、尹大統領の非公開の発言を聯合ニュースに伝えた。

 尹大統領は「労働時間は雇用労働部だけの業務ではなく企画財政部、産業通商資源部、中小ベンチャー企業部など全ての業務だ」と強調した。「国民が知らない政策は政策ではない」とも発言し、政策を説明する重要性を説いた。

 政策マーケティングの責任者となる閣僚らに対し、「悪口を言われることを恐れてはならない」と語りかけ、「後からきちんとした最終案を作れば、批判していた国民も戻ってくるだろう」と述べた。

 労働時間の柔軟化に向けた制度見直し案を確定するのに先立ち、世論調査やフォーカスグループインタビューなどを通じて各界各層の意見を十分に聴取すべきだと重ねて指示した。

 韓日関係にも言及した。尹大統領は、先の訪日時に面会した日本の野党第1党、立憲民主党の役員から韓日関係改善のために訪韓して韓国野党を説得すると言われたことを取り上げ、「そうした言葉を聞いて恥ずかしかった」と述べた。

 立憲民主党の中川正春憲法調査会会長が尹大統領にこうした意向を伝えたとされる。尹大統領の発言に関し大統領室関係者は「日本は与野党の別なく韓日関係の改善を歓迎しているが、韓国の野党は反対ばかりしている」とし、大統領が韓国の野党の姿を恥じたものだとした。

 また、尹大統領は韓日関係を「それまでうまく付き合ってきた隣家が、水路をつくる問題により、互いに塀を築き始めた」と例えたという。「塀を壊さなければ双方にとって損害なのだが、そのまま放っておくべきなのか」と問い掛けた後、「相手が塀を壊すのをただ待つより自分が先に壊せば、隣家もその本気度を見て一緒に塀を崩し、そうすれば再び良い関係に戻ることができる」と述べた。

 尹大統領は政府が発表した徴用賠償問題の解決策は韓国に道徳的優位性と正当性を持たせるもので、日本側の呼応を引き出すことが可能と考えているとされる。日本で来月統一地方選が終わり、岸田文雄首相が韓国を訪問する時には「手土産」があるとみているようだ。


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