ソウル市内にある国民年金公団の相談室=27日、ソウル(聯合ニュース)
ソウル市内にある国民年金公団の相談室=27日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の国民年金制度が改革されず現行のまま維持された場合、2041年から収支が赤字となり、55年には積立金が枯渇する見通しだ。少子高齢化の進行や景気減速により、枯渇の時期は前回の推計より2年早まった。国民年金財政推計専門委員会が27日、制度の現状維持を前提に向こう70年間の財政収支を推計した結果を発表した。  推計によると、この先約20年は国民年金の支出より収入(保険料と運用収入の合計)が多い構造が続く。年金積立金は22年10月末時点の915兆ウォン(約96兆5000億円)から40年には1755兆ウォンに増え最大となる見通しだ。 翌41年からは支出が収入を上回って積立金が急速に減り、55年には枯渇すると予想される。同時点では積立金が47兆ウォンの赤字になると見込まれた。 前回の18年の推計結果と比較すると、収支が赤字になる時期は1年、積立金の枯渇時期は2年、それぞれ早まった。こうした財政推計は人口や経済の状況などを踏まえて行われるが、5年前と比べて少子高齢化が進み、経済成長率などのマクロ経済環境が一層悪化したことから年金財政の見通しも一段と暗くなった。 生産年齢人口の減少により保険料を納める人は減る一方、制度の成熟や高齢化で受給者数は増え、加入者数に対する老齢年金受給者数の比率は23年の24.0%から78年には143.8%に上昇すると予想された。 財政推計専門委員会は、財政推計は現行の制度をそのまま維持する前提で行ったものだとし、積立金の枯渇時期に焦点を当てるよりも、国会での年金改革議論や国民年金総合運営計画の策定の参考資料として活用すべきだと指摘している。 政府はさまざまなシナリオごとの分析を含めた財政推計の最終結果を3月に発表する予定だ。これを基に4月末まで活動する国会の年金改革特別委員会が改革案を議論し、政府も10月末までに国民年金の運営計画を発表する方針だ。
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