東国大の金榕炫教授=(聯合ニュース)
東国大の金榕炫教授=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国・東国大北韓(北朝鮮)学研究所所長の金榕炫(キム・ヨンヒョン)教授(北朝鮮学)が責任編集し、ほか8人の北朝鮮研究者が共著者に名前を連ねた「北韓学博士が書いた北韓学概論」(原題)が30日、韓国で出版された。北朝鮮をさまざまな分野から分かりやすく解説した。  概論の第1章は北朝鮮の政治を取り上げた。北朝鮮は主体思想を基盤に1人の支配者が絶対的な権力を持つ体制を築いている。政治権力と統治の構造、理念を説明した上で、2012年の政権発足後、祖父の故金日成(キム・イルソン)主席と父の故金正日(キム・ジョンイル)総書記とは異なる強硬路線を打ち出してきた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の実像に迫る。  北朝鮮の軍事と外交に関する第2章は、軍隊の性格と構造、金正恩政権の軍事政策、外交の特徴と外交戦略を解説した。軍が国家の運営と発展の急先鋒(せんぽう)に立ち、最も大きな恩恵と特権を有した結果、社会に矛盾と不条理が生じたことが分かる。 続いて、瀕死の状態ながらも何とか回り続ける北朝鮮の経済と、今や世界の頭痛の種である北朝鮮の核武装を可能にした科学技術を取り上げた。文化芸術、メディア、大衆文化、レジャー文化、観光・スポーツ政策にも目を向け、「普通の国」をアピールしようとする北朝鮮の各政策の裏側ものぞく。 著者らは、南北関係は愛憎相半ばするものの、安全保障と平和のためにも韓国にとって北朝鮮は深く知るべき相手だと指摘。北朝鮮が何を望んでいるのか、北朝鮮の実情と背景を見極めてこそ後患の根を断つことができると説いた。 金教授は「本書が、荒唐無稽な民族主義や感情が先走る反共主義を乗り越え、北を客観的かつ冷徹に見つめることができる羅針盤となることを期待する」と述べた。
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