「17%増の欧州売上、為替差損により1%増にとどまる」…ドル高の逆風にさらされるナイキ=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「17%増の欧州売上、為替差損により1%増にとどまる」…ドル高の逆風にさらされるナイキ=韓国報道(画像提供:wowkorea)
市場の予想を上回る四半期の業績を記録したにもかかわらず、利益率の悪化と在庫の増加による株価の下落を経験した世界最大のスポーツ用品メーカーのナイキが、ドル高が米国の多国籍企業にどれほど大きな悪影響を及ぼすかを如実(にょじつ)に示した。

ナイキは29日(現地時間)、ニューヨーク証券市場が取引を終えた後、第1四半期の売上高が127億ドル(約1兆8400億円)を記録したことを明らかにした。これは前年同期の122億ドル(約1兆7600億円)はもちろん、市場の予想値の122億8000万ドル(約1兆7700億円)をも上回る好業績だった。しかし、純利益は15億ドル(約2170億円)、1株当たりの純利益(EPS)は93セント(約134円)で、EPSはウォール街の予想値の92セント(約133円)をやや上回ったものの、前年同期のそれぞれ19億ドル(約2750億円)と1.16ドル(約168円)より大幅に減少した。

この業績発表の直後、ナイキの株価は時間外取引で10%も下落したが、これはEPSが前年より減ったことはもちろん、利益率が低くなって在庫が増えたことによるものだった。

第1四半期末時点の在庫は97億ドル(約1400億円)で、前年同期に比べて44%も増加した。ナイキ側は「高い消費者の需要により一部相殺したが、サプライチェーンの混乱の影響が大きかった」と説明した。また、在庫を減らすために北米などで割引セールを実施し、売上に対する総利益率も46.5%から44.3%へと下落してしまった。ウォール街の同予想値は45.4%だった。

しかし、ナイキの実際の売上と利益が財務諸表に十分に反映されなかったのは、ドル高の影響によるところが大きい。

ナイキ側は「第1四半期にドル高による為替レートの影響で、売上に対する総利益率が6%も下がった」と明らかにした。第4四半期の為替レートが与えた影響は4%、第3四半期は3%だったので、為替レートが与える影響がわずか半年で倍増したことになる。

これは売上高にもはっきりと表れている。欧州事業で実際に稼いだ売上は前年同期に比べて17%も増えたが、ユーロ安によってドルに変換した帳簿上の売上はわずか1%増にとどまった。中国を除いたアジアと南米の売上は5%増に過ぎなかったが、為替効果を除けば16%も増加する。

中国事業ではさらに苦戦を強いられた。ただでさえ人民元の価値が下がる中で、中国国内の需要も弱まり、中国での売上が16%も減少した。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107