韓国の自動車業界で労使の葛藤続く…起亜・GM・ルノーなどで「ストの暗雲」(画像提供:wowkorea)
韓国の自動車業界で労使の葛藤続く…起亜・GM・ルノーなどで「ストの暗雲」(画像提供:wowkorea)
韓国の自動車業界が労使の葛藤で頭を悩ませている。業界のリーダー格である現代自動車は夏休み前、早期に無紛糾で賃金団体交渉を終えたものの、起亜自動車や韓国GM、ルノーコリアなど他の企業ではいまだに結論が出ていない状況だ。

 13日業界によると、起亜の労組は11日に開かれた賃金および第7次本交渉で会社側に交渉決裂を宣言した。

 起亜労組は今年の交渉で基本給16万2000ウォン(約1万6605円)の引き上げと成果給の30%支給、号俸制度改善と二重賃金制廃止、新規採用および定年延長を通じた雇用安定、未来車工場の国内新設などを要求している。

 労組は「実績が過去最大級でも会社側の交渉形態が以前と変わらない。別途の要求案と団体協約要求案に対して、会社側が一括提示せよ」と主張した。

 とくに労組は、最近現代自動車グループが発表した米国13兆ウォン(約1兆3300億円)、国内63兆ウォン(約6兆4570億円)の投資計画に対して「具体的な計画がまったくない」とし、「質のよい青年雇用創出のために、無分別な海外投資を直ちに撤回せよ」と声を高めている。

 しかし、会社側は長期的な成長のために海外投資などが必要だという立場だ。起亜労組は、来週に争議行為に対する賛否投票を進める計画だ。

 ルノーコリアも労使間で葛藤の溝が深まっている。同社労組はすでにストライキ権を確保した状態だ。要求を貫徹するために会社側を圧迫している。

 最大の争点は「多年賃金団体協約合意」だ。会社側は不必要な労使葛藤を減らし、安定的な新車生産を望んでいる。そのために今年から2024年までの3年間、基本給の引き上げを反映する代わりに多年に渡る賃金団体の協約締結を要求した。しかし、労組はこれに反発している。

 同社労組は賃金ピーク制などを巡り、訴訟まで辞さない。同社の前・現職労組員55人は来週、釜山地方裁判所に賃金ピーク制無効確認訴訟を提起する予定だ。

 賃金ピーク制の適用で、受け取れなかった賃金を返してほしいというのが労組の要求だ。1人当たりの請求金額は2000万~3000万ウォンになる。

 韓国GM労組もストライキの実施を検討している。まず争議権確保のために16~17日の2日間、全体組合員を対象に争議行為の賛否投票を進める予定だ。
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