ひと段落しつつある世界のインフレ、韓国が安心するのは時期尚早=韓国報道(画像提供:wowkorea)
ひと段落しつつある世界のインフレ、韓国が安心するのは時期尚早=韓国報道(画像提供:wowkorea)
世界で進んでいた物価上昇がひと段落する兆しをみせている。米国の7月の消費者物価(CPI)上昇率が前年の同じ月に比べ8.5%、前月比では0%を記録したと10日(現地時間)、米労働省が発表した。1981年11月以来最もCPIが高かった6月(9.1%)から0.6%ポイント下がり、市場の予想値(8.7%)に比べても0.2%ポイント低くなった。物価上昇率が予想より低くなったことがわかり、ニューヨーク証券市場はナスダック指数が2.9%上昇するなど、3大指数が軒並み急騰した。

米国の消費者物価は2021年の初めまでは2%台を維持していた。しかしその後、世界のサプライチェーンの混乱や中国との摩擦、ウクライナ戦争の勃発などの悪材料が重なり、世界的なインフレを引き起こした。しかし、7月のCPIの結果はインフレがピークを過ぎて下落局面入りするとの期待を持たせている。特に物価上昇率の「前月比0%」は、事実上上昇の勢いが止まったとみても差し支えないものだ。

期待インフレ率(消費者の1年後の消費者物価上昇率の期待値)も下落傾向が鮮明になっている。ニューヨーク連邦準備銀行によると、6月に6.8%だった期待インフレ率が、7月には6.2%へと0.6%ポイント下落した。期待インフレ率は連邦公開市場委員会(FOMC)委員が基準金利決定の際に重要な指標としている数値だ。米国連邦準備制度(Fed)が来月の会議で基準金利引き上げペースを0.75%から0.5%に一段階引き下げる可能性が生じたためだ。

しかし、韓国は状況が違う。国際原油価格の下落にもかかわらず、今週中部地方とチュンチョンド(忠清道)に降った1日300ミリ以上の記録的な豪雨により、農作物が大きな被害を受けた。チュソク(秋夕/旧暦の8月15日)を控え、主要な農産物の価格が暴騰する状況に油を注いだ格好だ。消費者物価の上昇率が先月の6.3%から今月は7%台に高まると予想されている。その上、Fedによる2回連続での金利引き上げにより、米国の基準金利が韓国より高くなる金利逆転現象が現実化した。これがただちに米国への資本流出につながることはないが、長期的な不安要因として作用することは明らかだ。物価環境と米韓間の金利が逆転した状況を考慮すると、韓国銀行は当面の間緊縮を維持しなければならない。
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