韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は「日米韓の3国首脳会談が外交的に最も意味があった」と述べた。

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 尹大統領は1日(きょう)、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するための3泊5日のスペイン訪問を終えて帰国する韓国空軍1号機内で懇談会を開き、今回の歴訪で最も記憶に残り、かつ印象深かった日程について、このように明らかにした。

 また、NATO首脳会議の本会議に出席して各国首脳から安保懸案に対する立場を聴き取ったことや、日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドの「AP4」(NATOのアジア太平洋パートナー国)首脳会議も相当な意味があったと評価した。尹大統領のNATO首脳会議への出席は韓国の大統領としては初めてだ。

◇尹大統領、日韓関係の改善に強い意志

 24分間行われた該当の懇談会では、様々な懸案についての成果を述べた。

 特に、尹大統領はスペインを訪問した3日間で合計16件の外交日程を消化し、“セールス外交”で意味のある成果を上げたと自評した。詳細としては、オーストラリアとはグリーン水素および北朝鮮核問題への協力、オランダとは半導体の供給網、フランスとは原発技術および宇宙産業、ポーランドとはインフラ(新空港)および原子力・防衛産業、デンマークとは気候変動および再生エネルギー問題について議論した。

 NATO首脳会議に出席したことに対して、中国が反発していることについては「日米韓3国首脳会談やNATO首脳会議への出席について、私は特定国家を排除したりするものではないと思う」とし、「自由民主主義の価値と人権、法治主義を共有する国家間で連帯することが重要であり、どの国家であれ、この価値および規範連帯に入ろうとするなら歓迎すべきだ」と述べた。

 尹大統領は今回の懇談会で“価値”や“価値観”という単語を8回使い、“価値連帯”に対する基調を維持した。尹大統領は自由民主主義や人権などの価値を韓国と共有する国家との協力を強化しなければならないという点を大統領選挙時から一貫して表明してきている。

 また、膠着(こうちゃく)状態が長期間続いている日韓関係については「日韓両国が未来のために協力できるなら、歴史問題も十分に解決していくことが出来ると信じている」とし、関係改善に強い意志を示した。

 この他にも、2030釜山エキスポの誘致に関して「首脳と会う度に釜山の話をした」とし、「(各国の)産業成果をしっかりと見せることが可能な基盤を最も十分に提供することが可能なのが釜山であるという点を説明した」と明らかにした。

◇国内懸案には言葉を慎む尹大統領
 韓国・中央選挙管理委員会が検察に捜査を依頼した保健福祉部長官候補のキム・スンヒ氏をはじめ、社会副首相兼教育部長官候補のパク・スンエ氏の任命など、人選問題のような韓国国内における懸案に対しては「ソウルに戻って把握した後で回答する」と答えた。

 尹大統領は懇談会を終え、「今、食事を準備しているというので、召し上がって、少し休んでほしい。また後でお目にかかる。ありがとう」と最後のあいさつをした後、取材陣の席を回りながらひとりひとりと握手して「お疲れ様」とねぎらった。

 懇談会にはスペイン訪問に同行した韓国外交部のパク・ジン長官が同席した。

 一方、出国当時、一緒にいた尹大統領の妻であるキム・ゴンヒ(金建希)氏は、帰国の途ではマスコミに姿を現さなかった。

◇経済・安保戦略の新しい枠組み作り…中韓関係は課題
 尹大統領はNATO首脳会議に出席するために先月27日に出国し、先月30日までの3泊5日間、マドリードに滞在しながら16の外交日程を消化した。

 NATO首脳会議の公式セッションである同盟国・パートナー国間の首脳会議で3分間演説を行い、日米韓3国首脳会談とアジア太平洋パートナー4カ国首脳会議を行った。北朝鮮の非核化に対する国際社会の関心と支持を要請し、日米韓3国の強力な三角協力を誇示した。

 また、オーストラリア、オランダ、フランス、ポーランド、EU、トルコ、デンマーク、チェコ、カナダ、英国の10ヵ国と2国間会談を開き、安保分野だけでなく原子力、防衛産業、先端産業、エネルギーなどさまざまな分野での協力案を議論するなど、セールス外交にも積極的に乗り出した。

 NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長とスペイン国王のフェリペ6世とも会談した。また、スペインの企業家らと昼食懇談会を開いて投資活性化の意志を確認し、スペイン同胞らと晩餐懇談会も行った。

 今回のNATO歴訪で尹大統領が価値同盟に基づいた経済・安保戦略の新しい枠組みを作ったという評価が出ている。韓国大統領執務室は価値と規範の連帯、新興安保協力の強化、グローバルネットワーク構築目標を期待以上に達成したと自評している。しかし、中国の反発など、今後解決しなければならない宿題も少なくないという指摘だ。
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