新型コロナウイルスの後遺症、実態把握は正確かつ緻密に=韓国報道(画像提供:wowkorea)
新型コロナウイルスの後遺症、実態把握は正確かつ緻密に=韓国報道(画像提供:wowkorea)
韓国政府は「ロングコービッド(long COVID)」と呼ばれる新型コロナウイルスの後遺症に関する実態調査を行うことを決めた。ハン・ドクス国務総理は先週、中央災難安全対策本部の会議で「大規模な調査を行って新型コロナウイルスの後遺症の原因と症状を分析し、その結果をもとに治療のガイドラインを作成する」と発表した。3月末に発表した1000人を対象にした調査とは別に、その10倍の1万人を対象に調査を行う。調査規模が大きいほど統計的有意性が高くなる点で関心が集まっている。

米国政府がすでに2020年からロングコービッドの患者数万人を対象に観察・調査を進めてきたことに比べると、韓国は2年も遅れを取っている。正確な統計はないが、これまでロングコービッドにより多くの韓国国民が健康被害を経験している。全医療システムを新型コロナウイルスの対応に集中させているが、ロングコービッドの対応にまでは手が届いていない。特に高齢者の中にはロングコービッドによって死亡したケースも少なくないとされている。先週亡くなったタレントのソン・ヘ氏も、3月に新型コロナウイルスの感染が確認され、治療を受けた後、後遺症を訴えていたといい、ロングコービッドの犠牲になった可能性が高い。

政府は早急に、確実かつ緻密な実態調査を進めなければならない。そしてその結果を活用し医療対応システムを適切に構築する必要がある。国内外の研究結果によると、新型コロナウイルス感染者の20%以上がロングコービッドを訴えているという。韓国国内の累積感染者はすでに1800万人を超えており、そこから推計すると約360万人がロングコービッドを経験していることになる。

韓国国内の新型コロナウイルスの流行は最近落ち着いているように見えるが、今秋にも再び猛威を振るう可能性があると専門家たちは予測している。しかしロングコービッドの実態調査は追跡観察が必要で、結果が出るまでに少なくとも6か月はかかるとされている。政府はロングコービッドの医療対応システムをただちに補強し、実態調査の結果が出るとすぐに、それを忠実に反映させてより科学的かつ体系化した対策を推進すべきだ。
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