自律走行レベル4の技術が適用された韓国現代自動車の「アイオニック5」(写真は記事の内容とは関係なし)(画像提供:wowkorea)
自律走行レベル4の技術が適用された韓国現代自動車の「アイオニック5」(写真は記事の内容とは関係なし)(画像提供:wowkorea)
韓国で最近、“自動運転車の常用化”への期待が高まる中、「自動運転車の事故時、製造メーカーに対しても刑事制裁を科す方案を検討すべきだ」という主張が出ている。「営業所の閉鎖・企業資金の公募禁止」なども刑事制裁の手段として提案されている。

韓国警察法学会の学術誌“警察法研究”の最新号に掲載された論文「自動運転車運行の刑事法的争点」を書いた警察大学のイ・ドンヒ法学科教授は「自動運転車の常用化時代に備えた刑事法の主要争点」を紹介した。

その中で最も目を引く争点のうちの一つは、「法人(企業)に、交通事故に対する刑事責任を問うことができるか」ということである。イ教授は論文を通じて「運転手の介入なく自動運転システムだけによって運行される “レベル4”以上の段階では、運転手に責任を負わせるのは難しく、法人に対する処罰の必要性が提起される」と説明した。

イ教授は論文で「現在の刑事法制は、法人に対して両罰規定(この場合、運転手と法人の両方を処罰する規定)を通じて罰金刑を中心とする処罰を想定しているだけで、法人自体の犯罪能力は事実上否定する立法主義を採択している」とし「現行法上、刑事責任の主体は車両を製造したり自動運転システムを開発した企業または法人自体ではなく、その所属の代表者・従業員などの自然人に限定される」と指摘した。

つづけて「刑事責任の帰属主体となるべき企業ないし法人が、刑事処罰を免れる手段となるおそれがある」とし「今後、処罰規範の実効性を確保するためには、法人を対象とする刑事制裁の多様性および規範の実効性確保方案などが本格的に検討されなければならない」と強調した。

法人に対する刑事処罰の論議のため、イ教授はフランスの事例を紹介した。フランス刑法の場合、重罪・軽罪を犯した法人に対し、罰金刑以外に多様な刑事制裁を科すことができるよう規定されている。法人の解散・職業活動や社会活動の禁止・営業所の閉鎖・企業資金の公募禁止などをはじめとした11の刑事制裁が可能である。

また「自動運転車の交通事故に関する警察の備えも重要だ」という指摘もあった。イ教授は「自動運転車の事故においては、事故原因が製造物の機械的欠陥によるものなのか、ソフトウェアの欠陥によるものなのか、または通信設備の故障によるものなのかを科学的に正確に究明することが “鍵”だ」とし「捜査の手続きと方法を詳細に定め、専門性を蓄積しなければならない」と強調した。

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