韓国企業、物価上昇に加え原材料価格や賃上げが圧力に(画像提供:wowkorea)
韓国企業、物価上昇に加え原材料価格や賃上げが圧力に(画像提供:wowkorea)
韓国では物価高で経済全般の負担が大きくなり、企業は対外的に原材料価格の引き上げ負担が、対内的に賃上げ圧力が強まっている。

 3日、韓国メディア「ヘラルド経済新聞」によると、前日、経済副首相のチュ・ギョンホ(秋慶鎬)氏が財界6団体長と会った席で、価格の値上げについて語った。「各部門での競争的な価格や賃金引き上げは、むしろインフレ(物価上昇)の悪循環を引き起こしかねない。その点を考慮して、可能な範囲内で生産性の向上などを通じ、価格上昇の要因を自ら最大限解決してほしい」と求めた。

 これは政府が関税を引き下げ、マージン幅を拡大したので、値上げしないでほしいという意味と受け取れる。

 ただし、関税が小麦粉やコーヒー、豚肉など14品目に制限されている。付加価値税の免除もキムチや豆腐などに限定されているため、財界はむしろ税制の支援拡大を求めている状況だ。

 韓国政府では企業に自制を求めているが、内部から賃金引き上げに対す圧迫が激しくなっている。サムスン電気やサムスンディスプレイなどは9%の賃上げ率に合意し、サムスン電子は労使協議会が9%で協議した。しかし、労組側は依然として二桁の引き上げを要求している状態だ。

 一方、統計庁が3日発表した「5月消費者物価動向」によると、5月の消費者物価は1年前より5.4%も上がった。08年8月(5.6%)以来、13年9か月ぶりの最大上げ幅だ。

 さらに、物価の上昇速度が非常に速い。低物価の象徴である1%台の物価が崩れ、2%台に上がったのが昨年4月(2.5%)だ。その後、3%台に上がったのが10月で、それは今年3月(4.1%)に崩れた。4%台の物価はわずか2か月で崩れ、一気に中盤(5.4%)を超えた。6月は6%台に達する可能性もある。

 急騰する物価に対して、政府に経済対策を求める声も高まっている。

 ヘラルド経済新聞の3日付社説では、「物価高は庶民にとってはるかに苦しい。高所得層は心配なく、中間層も消費を押さえればある程度持ちこたえられる。しかし、低所得層にとっては、物価高は黙っていても財布の中身を取られるようなものだ。政府の物価安定対策は、庶民安定対策が急がれる。それも画期的でなければならない」と求めた。

 4日、ソウル経済新聞の社説でも、「政府は短期的に減税や金融、財政などすべての政策手段を動員して物価を刺激せず、景気を回復させなければならない。ばらまきポピュリズム政策を止め、企業がしやすい環境を作ってこそ、民間が引っ張って政府が押す躍動的な経済を実現できるだろう」と指摘した。
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