ソン・ヨンレ中央災難安全対策本部社会戦略班長(画像提供:wowkorea)
ソン・ヨンレ中央災難安全対策本部社会戦略班長(画像提供:wowkorea)
アフリカ地域の希少感染症であるサル痘の感染事例が欧州、北米、中東で続出している中、韓国政府がサル痘に予防効果があると知られている天然痘ワクチンを大量に保有していると明らかにした。

疾病管理庁は23日「政府が天然痘ワクチン3502万人分を備蓄している。生物テロ対応など、非常状況に備えるためのもので詳細は公開できない」と述べた。

天然痘ワクチンはサル痘に約85%の予防効果を持っているという。BBCなどの外信によると、英国やスペイン、オーストラリアなどでは天然痘ワクチンの確保に乗り出した。

サル痘は中央アフリカや西アフリカの一部地域の風土病として知られてきたが、最近になって欧州や北米をはじめ、世界各地で感染報告が相次いでいる。

世界保健機関(WHO)は、現在まで英国内の20件を含め、欧州や米国、オーストラリア、イスラエルなどの12か国で92件の感染と28件の感染と疑われる事例が報告されたと発表した。

ただし、韓国政府が‘テロなど非常用’として備蓄中のワクチンを使用できるか、今回感染事例が出たサル痘に実際の効果があるかは慎重に検討しなければならないという指摘が出ている。天然痘は1977年以降終息し、韓国の人口のほとんどがこのウイルスに対する免疫力が全くないため、今回の場合に対応できるかは疑問だと説明している。

疾病管理庁がWHOを引用して明らかにした最近のサル痘の致命率は3~6%だ。現在、新型コロナウイルス感染症の国内致命率0.13%と比べても高い数値である。

ソン・ヨンレ中央災難安全対策本部社会戦略班長はこの日、バックブリーフィングでサル痘に関連した質問に「致命率がかなり高いほうだと思われる。感染症で致命率が1%を超えると高い」と述べた。

ただし、伝播力は高くないものと分析される。

ハンリム(翰林)大学カンナム(江南)ソンシム(聖心)病院感染内科のイ・ジェガプ教授はこの日、CBSラジオの番組に出演し「呼吸器伝播も可能とはいえ、新型コロナウイルス感染症のようにマスクをしないと伝播されるのではなく、家の中で一緒に生活する家族同士が密接に接触する時、大きな飛沫を通じて伝播されるという」と述べた。

ほとんどが呼吸器よりは感染した人の皮膚、水泡と接触した時、体にある傷を通じてウイルスが侵犯するという説明である。

サル痘によってコロナに続く新しいパンデミック(伝染病の世界的大流行)が発生する可能性についてイ教授は「コロナウイルスがリボ核酸(RNA)ウイルスに変異を起こしやすいのとは異なり、痘瘡ウイルスはデオキシリボ核酸(DNA)ウイルスなので、変異があまり起きないため、伝播力は大きく上がらないと思う」と述べた。

また「局地的な流行になる状況程度だろう」と展望した。

イ教授はアフリカで主に発生していたサル痘が短い期間に世界各国で拡散したことに関して「最初の始まりは西アフリカ側に行ってきた人や輸入された動物であり、以降は人同士で伝播事例が発生したものと思われる」としながらも「少し変だと思うのは多くの国で同時に発生したということだ。疫学調査の結果が出れば流入経路が確認できるだろう」と付け加えた。

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