大統領執務室前で初のデモ行進…市民「事故が起きそうで怖い」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
大統領執務室前で初のデモ行進…市民「事故が起きそうで怖い」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領の就任後初めての週末となった14日、ソウル市ヨンサン(龍山)の大統領執務室付近で初めてのデモ行進が行われた。今回の都心でのデモによって龍山一帯の交通が麻痺し、市民の足に影響が出た。今後、大統領執務室前での集会に対する裁判所の本案訴訟判決が出るまで混乱が続く見通しだ。

性的少数者差別に反対する「虹行動」は14日の午後3時頃、龍山駅前広場で「2022国際性的少数者嫌悪反対の日記念大会」を開催した。

虹行動は集会を通じて、性的少数者の人権保障がなされていないとして新政権を糾弾(きゅうだん)した。今回の集会は虹行動を含め33の人権団体で構成され、主催者側の推算で500人余りが集まった。

この日の集会では「行動する性的少数者人権連帯」の活動家ホ・リム氏が司会を務め、差別禁止法制定連帯のチャン・イェジョン共同執行委員長、ソウル市障がい者自立生活センター協議会のイ・ヒョンスク会長、トランスジェンダー人権団体「チョガクボ」の活動家リナ氏などの演説が行われた。

虹行動は宣言文を通じて「新政府の発足初日から大統領秘書官が『同性愛は治療されうる』というでたらめを発し、巨大野党になった共に民主党は依然として差別禁止法制定のための努力を積極的に行っていない」とし、差別禁止法制定をはじめ電波媒介行罪・軍刑法醜行罪・性教育標準案の廃止などを要求した。

警察は広場近くに数十人を配置し、秩序統制や万一の事故に備えた。

虹行動は2時間ほどの事前集会の後、新龍山駅、サムガクチ(三角地)駅を経て、ノクサピョン(緑莎坪)駅のイテウォン(梨泰院)広場まで2.5kmにわたってデモ行進を行った。この日の行進区間には、尹大統領が執務室として使用する国防部の庁舎100からメートル以内も含まれた。彼らは車道を占領し、大統領執務室に至る道路を40分余りゆっくりと行進し、警察が道路規制にあたった。

これに先立ち警察は、大統領官邸から100m以内での集会を禁止する集会・デモ法に、執務室も官邸に含まれるとしてこの集会に対して禁止通告をしていた経緯がある。しかし、ソウル行政裁判所は執務室と官邸は異なるとし、団体の集会禁止通告処分の執行停止申請を一部引用した。

この裁判所の判断に対して法務部の指揮を受けて抗告した警察は、この日の集会を裁判所が認めた範囲で認容した。警察の関係者は「裁判所の決定により遵法管理を行った」と述べ、「懸念されていた物理的衝突はなかった」と語った。

しかし、交通規制による市民からの苦情が殺到した。虹行動は大統領執務室のある国防部庁舎前に到着すると、約15分間にわたって政府を糾弾するシュプレヒコールを上げた。これを見ていた市民と一時衝突が起きそうになったが、警察が制止した。ソウル市によると、この日午後4時時点の都心の平均交通速度は時速15.6kmで、深刻な渋滞が起きた。

三角地駅の近くでカフェを経営する40代のキムさんは「大統領の通勤により交通渋滞が続いているが、このようなデモで町内が大騒ぎになるのが心配」と話し、「事故が起きるのではないかと恐れている」と語った。龍山区イチョン(二村)洞に住む30代主婦のハンさんは「ここに5年間住んでいるけれど、一度もデモ集会をするのを見たことがなかったのでびっくりした」と話し、「ここに引っ越してきた最も大きな理由が閑静だからなのに、大勢の人が集まってスピーカーまで使って大声で騒ぐので迷惑」と不満を訴えた。

大統領執務室前での集会に対する裁判所の本案訴訟判決が出るまで、龍山一帯の混乱は続く見通しだ。

虹行動は「すでに裁判所による官邸と執務室を区別しなければならないという決定があるにもかかわらず、警察は恣意(しい)的な解釈をしている」とし、「裁判所が警察の恣意的な判断にブレーキをかけることを願う」と発表した。同時に「嫌悪を終えて世の中を変え、時代を作る性的少数者たちによる行進は続くだろう」と付け加えた。

警察は本案判決が出るまでは原則的に執務室から100m以内での集会禁止通告を維持するとしている。
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