昨年12月、北朝鮮との軍事境界線に近い韓国陸軍の前線部隊を訪問した尹氏(資料写真、国会写真記者団)=(聯合ニュース)
昨年12月、北朝鮮との軍事境界線に近い韓国陸軍の前線部隊を訪問した尹氏(資料写真、国会写真記者団)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期政権が最新版の国防白書に北朝鮮政権と北朝鮮軍を「敵」と表記することを検討する。次期政権への移行を準備する政権引き継ぎ委員会は3日に発表した110の国政課題のうち国防分野の課題で、「北の政権と北の軍がわれわれの敵であることを(韓国軍の将兵が)はっきり認識できるよう、国防白書などに明記することを検討する」と言及した。ただ、委員会は「主敵」とは表現しなかった。具体的な表現についてはまだ議論中のようだ。  尹氏は大統領選での公約の一つに「国民のための軍隊らしい軍隊、科学的な訓練体系の構築」を掲げ、国防白書に北朝鮮を「主敵」と明記すると表明していた。1月初めに北朝鮮が弾道ミサイルを発射した直後にはSNS(交流サイト)に「主敵は北」と投稿した。 国防白書に初めて「主敵」という表現が登場したのは1994年版で、これは2000年まで続いた。04年に南北に和解ムードが広がると「直接的な軍事脅威」などの表現に変わり、保守系の李明博(イ・ミョンバク)政権が発足した08年も「直接的で深刻な脅威」と記された。現政権では18年版と20年版で北朝鮮を敵とみなす表現を消し、「韓国の主権、国土、国民、財産を脅かし、侵害する勢力をわれわれの敵とみなす」と記述した。 また、政権引き継ぎ委は国政課題に「国防革新4.0」を掲げた。大統領直属の国防革新4.0官民合同委員会を設置し、コントロールタワーの役割を持たせるという。 国防革新4.0は2027年までに「人工知能(AI)基盤の有人・無人複合戦闘体系」を自律型に発展させるという目標を示した。戦闘現場にドローンやロボットを導入することで戦闘員の人命損失を最小限に抑える。 高度化する北朝鮮の核・ミサイルと韓国首都圏を脅かす長射程砲に対しては、韓国軍の対応能力を画期的に引き上げ、実質的な対応・抑止力を備えるとした。北朝鮮の核・ミサイル使用の兆候が明らかな場合は、「自衛権としての強力な軍事的対応」概念と計画を発展させるという。 韓米間では軍事同盟の強化と国防科学技術協力の拡大に取り組む。韓米の戦区級の指揮所訓練(CPX)は名称を変更し、今年下半期から合同演習と韓国政府の演習を統合して実施する。連隊級以上の合同の野外実動訓練(FTX)も再開する。 また、韓米日で政策・戦略的レベルの協議を活性化し、3カ国間の安全保障協力を段階的に拡大したい考えだ。
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